「ペレスはフェルスタッペンを不安にさせるだろう」と元F1ドライバー
元F1ドライバーのギド・ヴァン・デル・ガルデは、2021年にセルジオ・ペレスをチームメートに迎えるマックス・フェルスタッペン（レッドブル・ホンダ）はこれまでよりもプレッシャーを感じることになるだろうと考えている。
レッドブルは2020年シーズンに期待通りのパフォーマンスを発揮できなかったタイ国籍ドライバーのアレクサンダー・アルボンに替え、2021年にはペレスを起用することを正式に発表。アルボンは来季リザーブドライバーとしてレッドブルに留まり、2022年のF1復帰を目指すことになる。
これまで自分たちが育成してきたドライバーを起用するという方針を貫いてきたレッドブルにとって今回のペレス起用は異例のことだと言える。
だが、F1関係者の中には今回レッドブルが行った決断は正しいものだったと考えている者が多いようだ。
ライバルチームであるメルセデスのCEOを務めるトト・ヴォルフは次のように語った
「レッドブルは多くの経験と速さを持つドライバーを得ることになる」
「これはチーム強化になると私は見ている」
「彼らはさらに手強いライバルになるだろうね」
2020年にミハエル・シューマッハと並ぶ通算7回目のF1ドライバーズタイトル獲得に成功したルイス・ハミルトン（メルセデス）も同意見だ。
「セルジオ・ペレスはレッドブルをさらに強くするだろう。彼が昨シーズンと同じレベルのドライビングを続ければなおのことね」
「アレックス（アルボン）には敬意を払うものの、今年のレースはそのほとんどが僕とバルテリ（ボッタス／メルセデス）、そしてマックスの戦いだった。だからマックスが今年どういう思いをしていたのかは分かるよ。僕も何年か前にはマクラーレンで同じ状況にあったからね」
レッドブルのチーム代表を務めるクリスチャン・ホーナーは、アルボンを降格させるという決断は「非常につらい」ものだったが、「レーシングポイントでのセルジオのパフォーマンスを無視することは不可能だった」と語り、次のように付け加えている。
「彼はシーズン後半には特に強かったからね」
一方、フェルスタッペンとその父であるヨス・フェルスタッペンはペレスではなくニコ・ヒュルケンベルグがチームメートになることを望んでいたと考えられている。
しかし、フェルスタッペンも自分にはもっと速いチームメートが必要であることは確かであり、ペレスの加入を歓迎すると次のように語っている。
「セルジオは素晴らしいシーズンを送ったし、彼はチームに多くの経験をもたらしている。きっと僕たちはうまくやっていけるはずだよ」
「そして彼のおかげで僕たちは2台のマシンでシーズンを通じてもう少しメルセデスを苦しめることができるはずだ。さらにこれまでとは全く異なる戦略を展開する可能性も生まれるし、彼は僕に圧力をかけるに十分な速さを示すだろうと思っているよ」
「自分にプレッシャーをかけることができるチームメートがいるのはエキサイティングだよ」
しかし、フェルスタッペンと同じオランダ出身の元F1ドライバーであるヴァン・デル・ガルデは、ペレスの到来によりフェルスタッペンは不安も感じることになるだろうと考えている。
「概して、これはレッドブルが正しい決断をしただけだと思っているよ」
「だが、僕はペレスがマックスを不安にさせるだろうと思っている。少なくともレースではね」
そう語った35歳のヴァン・デル・ガルデは次のように付け加えた。
「予選では彼（ペレス）はマックスほどの速さはないと思う。でもその差はすごく小さいだろうね」
