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メルセデスがラッセルの勝利を妨害した?そうした“陰謀説”に疑問の声も

2020年12月10日(木)5:16 am

ロシアのF1解説者が、メルセデスが先週末にバーレーンで行われたF1サヒールGPでジョージ・ラッセルが優勝することを阻止するためにわざと間違ったタイヤを装着したのだという“陰謀説”に対して疑問を呈した。

サヒールGPでは新型コロナウイルスに感染したルイス・ハミルトンの代役にウィリアムズのドライバーを務めているラッセルが起用されていた。

そのラッセルは金曜フリー走行から速さを示し、ポールポジションこそ僅差でチームメートのバルテリ・ボッタスに譲ったものの、決勝ではスタートでトップに躍り出るとそのまま独走状態をキープ。このまま初のトップチェッカーを受けるのは確実だと考えられていた。

ところが、レース終盤にメルセデスはラッセルとボッタスに同時にピットインを指示。そこでなんとラッセルのマシンにボッタス用のタイヤを装着するという信じられないミスを犯してしまう。ラッセルは次の周に再びピットに呼び戻されてタイヤを交換。この時点でラッセルの初優勝のチャンスは完全に消えてしまったが、ラッセルはタイヤがスローパンクチャーを起こしたことでまたもピットインせざるを得ず、最終的には9位でレースを終えている。

イギリス出身のラッセルはレース後に次のように語っていた。

「目の前にあった勝利を剥奪されてしまった。だけど、2回も? 信じられなかったよ」

その後、SNSなどではメルセデスのチーム代表を務めるトト・ヴォルフが今季通算7回目のF1チャンピオンとなったルイス・ハミルトンのメンツを保つためにラッセルがそのハミルトンのF1マシンでいとも簡単に優勝してしまうことをよしとせず、ピットクルーに意図的にミスを犯すよう指示してラッセルの勝利を妨げたのではないかとの陰謀説がささやかれるようになっている。

だが、ロシアの『Match TV(マッチTV)』でF1解説者を務めるアレクセイ・ポポフは実際にそうした陰謀があったとは考えにくいと次のように語った。

「ハミルトンとヴォルフがラッセルの勝利を望んでいなかったという陰謀説をたくさん読んだよ。そうなればハミルトンの市場価値に傷が付くからというのがその理由だ」

「だが、正直な話、もしトトがすごく速いドライバーを望んでいなかったとしたら、わざわざあのレースのためにウィリアムズからラッセルを引き抜いたりはしなかっただろう」

「ウィリアムズはジョージを持っていかれることを本当に望んでいなかったし、裏でどういうことが起きていたのか我々には分からない。恐らく彼ら(メルセデス)は金を出す必要があっただろうね」

「メルセデスではそれからマシンをラッセルに合わせるために全員が朝の4時まで作業をしていたし、彼もものすごくたくさんの手順を学ぶ必要があった。もし彼ら(メルセデス)がそれを望んでいなかったのであれば、リザーブドライバーを使えば済んだ話だよ」

そう語ったポポフは、ラッセルの初勝利のチャンスを奪ったメルセデスのミスについて次のように付け加えている。

「それは起きてしまった。そして、あれはひどかったよ」

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