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【メルセデス】2021年にラッセル起用の可能性も?

2020年12月08日(火)19:24 pm

メルセデスF1チームCEOのトト・ヴォルフが、2021年にジョージ・ラッセル(ウィリアムズ)の起用に踏み切る可能性もあることを示唆した。

新型コロナウイルスに感染したルイス・ハミルトンの代役として急遽メルセデスからF1第16戦サヒールに出走したラッセルだが、レース終盤に起きたピット作業ミスさえなければ優勝していたのはほぼ間違いない状況だった。

このラッセルの活躍に注目が集まる一方で、22歳の若いドライバーに苦戦を強いられたバルテリ・ボッタスには大きなプレッシャーがのしかかることになってしまった。

かつてレッドブルで戦った経験を持つ元F1ドライバーのロバート・ドーンボスは母国オランダの『Ziggo Sport(ジッホ・スポルト)』に次のように語っている。

「ボッタスは自分の2021年の契約書を見るたびに“すでにこれにサインしておいて本当にラッキーだった”と考えるに違いないよ」

サヒールGP予選では僅差ながらラッセルを抑えてポールポジションを獲得したものの、決勝ではスタートであっさりとかわされてずっとその後ろ姿を見続けていたボッタスも自分の評価に疑問符がつけられたことはよく認識しているようだ。

「(背景にある)いろんなことを知らなければ、僕はとんでもない愚か者に見えたかもしれないね。それがうれしいわけはないよ」

「僕にとってはかなりひどいレースだった。だからみんなにとっては新人がやってきて何年もチームにいたやつをやっつけたというのはすごく簡単なことだろう。それは理想的なことではなかったよ」

実際のところ、歯に衣着せぬ発言が多いことで知られる1997年のF1チャンピオンであるジャック・ビルヌーブは、『Sky Italia(スカイ・イタリア)』に対しサヒールGPではラッセルがボッタスを完全に打ちのめしてしまったと語り、次のように続けている。

「もし今メルセデスに空きシートがあれば、彼(ラッセル)がそれを獲得するだろう」

「彼はもう何年もそのクルマで走っていたようにさえ見えたよ」

ラッセルにとってサヒールGPでは万全の体制でハミルトンの代役が務められていたわけではなかった。自分よりも小柄なハミルトンに合わせて造られたメルセデスF1マシンはラッセルにとっては非常に窮屈であり、ラッセルは運転する際にかなり無理を強いられていたのだ。

「彼(ラッセル)は膝をぶつけながら走っていたし、関節部には血が滲んでいたよ」

そう語ったメルセデスF1チーム代表のトト・ヴォルフは次のように続けた。

「こういう状況のもとでは予選と決勝で5番手になれば全くOKだったんだ。ところが、彼は最前列グリッドを確保し、決勝もほぼ勝利を手にするところだった」

「彼は我々の期待を大きく上回ったよ」

ヴォルフはさらに、今後ボッタスは大きなプレッシャーを抱えることになるだろうと認め、次のように続けている。

「1周に関しては、彼(ボッタス)はルイスに非常に接近している。いいときの彼にはどういう力があるのかを我々も知っている」

「だが、彼はシーズンを熊のような強さでスタートしたものの、タイトルの行方が決まってからはそれが衰えたという事実もある。ルイスとの戦いに生き残り、タイトルを勝ち取るためにはシーズン全体を通じて自分をピークの位置に保つしかないんだ」

「そのことについて、これから彼と話し合わなくてはならないよ」

そう語ったヴォルフは、ボッタスと2021年の契約を結んではいるものの、それを中途解除してドライバーを替える可能性も否定はできないと示唆している。

「我々には来年に向けて明確なドライバー計画がある。ジョージにはウィリアムズとの契約があるし、我々にはバルテリとの契約がある。メルセデスは契約を守っていく」

「だが、どんなことが起きるのかは誰にも分からない。その時点で手にしている情報をもとに取り組むことしかできないし、思いもよらないときに思いもよらないことが起きる場合もあるよ」

そう語ったヴォルフは次のように付け加えた。

「遅かれ早かれ、ジョージは我々のクルマに乗ることになるだろう」

“思いもよらぬこと”のひとつは、メルセデスがボッタスとの契約を破棄し、2021年にはラッセルをハミルトンのチームメートに据えることかもしれない。あるいは、ハミルトンとはまだ2021年の契約を結んでいないメルセデスだけに、サヒールでボッタスばかりかハミルトンにも勝るとも劣らないほどのパフォーマンスを示したラッセルをハミルトンの後任に据えるというまさに“思いもよらぬこと”が起こる可能性もゼロではないかもしれない。

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