2021年にフェラーリへ移籍するカルロス・サインツ(マクラーレン)だが、それを後悔していないかと何度も聞かれることを「うっとうしく」感じるようになってきているようだ。
2020年のF1は新型コロナウイルスのパンデミックにより開幕が7月にずれこんでしまったが、サインツはすでに5月にフェラーリと2021年以降の契約を結んでいた。
ところが、実際に7月に2020年シーズンが開幕を迎えると、フェラーリが大不振に陥ったことが明らかとなった。これまでF1トップ3チームのひとつであったイタリアの名門チームが今季はその座から滑り落ち、中団グループにおいて苦しい戦いを強いられる状況となっている。
新型コロナウイルスの影響で財政的打撃を受けたF1では、本来2021年に予定されていた新技術レギュレーションの導入を1年先送りとし、2021年も2020年型F1マシンで戦うことが決まっている。つまり、少なくとも2021年においてもフェラーリがトップ争いをするチャンスはほぼゼロに近いということだ。
こうした中、現在コンストラクターズランキングで4番手に位置しているマクラーレンから来季は現在ランキング6番手のフェラーリに移籍することになるサインツには、移籍を決めたことを後悔しているのではないかとの質問が絶えず浴びせかけられる状態となっている。
「唯一少しばかりイライラさせられることは、すでに答えが分かっている質問をされることさ」
そう語った26歳のサインツは次のように付け加えた。
「どうして1か月前に答えたのと同じ質問を何度も聞かれなくてはならないのか僕には分からないよ」
そうした質問の中でもっともうっとうしく思うのはフェラーリと契約したことを後悔しているのではないかというものかと尋ねられたサインツは次のように答えている。
「ああ、それが一番多いね」
「その答えはもう分かっていると思うよ」
実際のところ、サインツは現在住んでいるイギリスからフェラーリの本部があるイタリアのマラネロの近くに引っ越しすることになるが、それも楽しみにしているのだと次のように次のように続けた。
「ああ、それは今年末の予定に入っているよ」
「僕はイタリアに引っ越してそこでもっと多くの時間を過ごすことになる。マクラーレンで楽しく過ごすときもチームに近いところにいるのが重要だと考えているんだ。間違いないよ」