F1最高責任者であるチェイス・キャリーが、ホンダが2021年シーズン限りでF1活動を停止することを決定したのは主に財政的理由によるものだと語った。
ホンダはその公式発表の中では、今後2050年までにカーボンニュートラルを実現することが最優先すべき事項であり、そのために現在F1活動に関与している技術者たちを含め、社内の優秀な人材をそちらのプロジェクトに集めることが必要だと判断したとしている。
だが、F1オーナーであるリバティ・メディアの一員であるキャリーはこのほどスペインの『Marca(マルカ)』に次のように語った。
「私は、あの決定は主にホンダ・グループ内部における経済問題によるものだったと考えている」
「私は、それが最大の問題だったと思う」
F1関係者の中には、2025年まで現行F1エンジンルールが維持されるという状況のもと、最強メルセデスへの挑戦を続けるにはあまりにも費用がかかりすぎるとホンダが判断したのだろうという見方をしている者もいる。
「F1エンジンにおける財政面について検討する必要があるのは間違いない」
そう語り、現在のF1エンジンにはコストという課題があると認めたキャリーは次のように付け加えた。
「だが、私はホンダはより大きな経済的プレッシャーを迎えることになるだろうと感じていたため、何らかの決断を下すしかなかったのだと思っている」
しかし、キャリーは将来的にはF1エンジンのレギュレーションを自動車メーカーやエンジンメーカーにとって一層魅力的なものにしていくつもりであり、すでにそのことへの関心も高まってきていると主張している。
「F1内部そして外部において、次世代エンジンへの関心が増大していることも目の当たりにしている」
今年いっぱいでF1最高責任者の座をかつてフェラーリのチーム代表を務めていたステファノ・ドメニカリに譲ることになっているキャリーはそう語ると次のように付け加えた。
「我々はより多くの支援を受けつつある。このスポーツに参戦しているメーカーからだけでなく、まだここにいないメーカーたちからもね」