レッドブルのドライバープログラム責任者であるヘルムート・マルコが、アレクサンダー・アルボンに2020年F1最終戦までチャンスを与えると語った。
●【決勝レース結果】F1第13戦エミリア・ロマーニャGP 決勝レースのタイム差、周回数、ピット回数
トップF1チームのひとつであるレッドブルで2年目のF1シーズンを迎えているイギリス生まれのタイ国籍ドライバーであるアルボンだが、ここまでのところチームの期待に応える結果を残すことができていない。
チームメートのマックス・フェルスタッペンがここまでに完走したレースではすべて表彰台に上っているのに対し、アルボンはムジェロで行われた第9戦トスカーナGPで3位表彰台に上っただけとなっており、ドライバーズランキングも13レースを終えた時点で9番手に沈んでしまっている。
先週末にイモラ・サーキットで行われた第13戦エミリア・ロマーニャGPにおいても予選6番手、決勝では終盤にスピンを喫してポイントすら獲得できずに終わったアルボンが来季のレッドブルのドライバー構想から外れるのは間違いないと考えているF1関係者も少なくないようだ。
しかし、マルコは今後もまだアルボンには猶予を与えるつもりだと主張している。
「イモラが終わったとは言え、我々はアルボンに関する決断を下すつもりはないよ」
エミリア・ロマーニャGP決勝後に『motorsport-total.com』にそう語ったマルコは次のように続けた。
「彼にはもう少し時間を与えるつもりだ」
「アルボンにはアブダビでの最終戦(12月13日決勝)まで自分を証明するチャンスがあるし、その後我々は彼がとどまることができるのか、あるいは外部から誰かを探すことになるのか、内部的に決断を下すことになるだろう」
「市場には多くのドライバーがいる。だから、慌てて選択をする必要はないよ」
その一方で、レッドブルのセカンドチームであるアルファタウリのダニール・クビアトが今年限りでシートを失うのはほぼ確実な状況となっているようだ。
いくつか波乱が起きたエミリア・ロマーニャGPでは、そのチャンスをうまく生かして今季最上位となる4位フィニッシュを果たしたクビアトは、レース後に次のように語った。
「レースが始まったときから僕はもっと速く走ることができるマシンを持っているアルボンよりもかなり速かったよ」
しかし、この4位という結果によりクビアトが残留するチャンスが大きくなったかと質問されたマルコはテレビ局『Sky Deutschland(スカイ・ドイツ)』に「ノー」と答え、次のように付け加えている。
「非常にいいパフォーマンスだったが、それが彼の将来の助けになることはないよ」
アルファタウリはすでにピエール・ガスリーと来季の契約を更新したことを明らかにしており、問題は今クビアトが座っているシートを誰が獲得することになるのかということだ。
マルコのこれまでのコメントからすれば、現在レッドブルの育成ドライバーとしてF2に参戦している日本人ドライバー、角田裕毅が筆頭候補者だと考えられている。