元F1ドライバーのヤン・マグヌッセンが、ハースF1チームには才能あるドライバーよりも「金」を必要としているのは明らかだと語った。
もちろん、このヤン・マグヌッセンのコメントはハースが2020年限りで息子のケビン・マグヌッセンを放出すると発表したことを受けてのものだ。
ハースは22日(木)にF1参戦を開始した2016年からずっとドライバーを務めてきたロマン・グロージャンと2017年から所属していたマグヌッセンの2人を来季構想から外したことを発表したが、現時点ではまだ2021年のドライバーラインアップは明らかとなっていない。
だが、うわさによれば、2021年にはロシア人ドライバーのニキータ・マゼピンと7度F1王者となったミハエル・シューマッハの息子ミック・シューマッハがハースのドライバーを務めることになるだろうと言われている。
現在はいずれもF2選手権に参戦しているマゼピンとシューマッハだが、ロシア有数の富豪として知られる父親を持つマゼピンは多額の資金をハースに持ち込むことになると考えられており、フェラーリのアカデミードライバーであるシューマッハはハースにエンジン供給を行っているフェラーリの強力な支援が背景にあるのは確かだ。
「F1でこういうことが起きなくてはならないのは残念だよ」
母国デンマークの『BT』紙にそう語ったヤン・マグヌッセンは次のように付け加えた。
「もちろん、私はそれがフェアなことだとは思っていないよ。今回のケビンに関する決定は彼の能力、あるいは彼がサーキットでやってきたこととは何の関係もないんだからね」
1995年に日本のTIサーキットで行われた第15戦パシフィックGPで病気欠場となったミカ・ハッキネンの代役としてマクラーレンからF1デビューを飾ったヤン・マグヌッセンは、1997年にスチュワートで念願のフルタイムシートを獲得。
しかし、ヤン・マグヌッセンは翌1998年の第7戦カナダGP後にスポンサー資金を持ち込んだヨス・フェルスタッペン(レッドブル・ホンダのマックス・フェルスタッペンの父親)にシートを奪われ、そのままF1キャリアを終えたという経験を持っている。