元F1ドライバーであり、現在もGPDA(レースにおけるドライバーの安全対策などが主に議論されるF1ドライバーによる任意団体)の会長を務めているアレクサンダー・ブルツの息子がフェラーリの若手ドライバー育成プログラムとして知られる「アカデミー」メンバーとなる可能性が出てきている。
このアカデミーが輩出したドライバーとしては現在フェラーリのナンバー1ドライバーとなったシャルル・ルクレールや、2021年のF1デビューが確実だとうわさされているミック・シューマッハなどがいる。
さらに、ミックと共に現在F2選手権で争っているカルム・アイロットやロベルト・シュワルツマンも将来が嘱望される若手であり、このアカデミーが着実に成果を上げてきているのは確かだろう。
ちなみに、現在のアカデミーメンバーには有名F1ドライバーの親族も多く含まれている。元F1ドライバーであるジャン・アレジの息子ジュリアーノ、ブラジルの伝説的元F1チャンピオンであるエマーソン・フィッティパルディの孫であるエンツォ、さらにルクレールの弟アーサーもその1人だ。
そして、21日(水)にはフェラーリ本部があるマラネロで次年度アカデミードライバーの最終採用テストが開始されたが、そこに参加している若者の1人がアレクサンダー・ブルツの息子であり、現在14歳のチャーリー・ブルツだ。
ここまでカートでレースキャリアを歩んできたチャーリー・ブルツはほかの5名の若手カートドライバーとともに2021年1月に新たなアカデミーメンバーとなることを目指してこのテストに臨んでいる。
今週のテストプログラムはマラネロにあるフェラーリの施設で行われるが、来週にはフェラーリが所有するフィオラノ・サーキットでF4マシンを使ったテストが行われることになるようだ。
もちろん、父親である46歳のアレクサンダー・ブルツも息子がこのテストに合格することを期待しているはずだ。
だが、アレクサンダー・ブルツは今年初旬にフェラーリに対して批判的な発言を行っていたことでも知られている。
アレクサンダー・ブルツはそのとき、これまでフェルナンド・アロンソやセバスチャン・ベッテルといったトップドライバーを擁しながらも彼らをうまく生かすことができなかった原因はフェラーリにもあったのだと次のように語っていた。
「フェラーリは本当にドライバーたちにとっては大変なところだよ」
「もしチームをうまく前進させることができれば彼らは本当にドライバーを大事にするものの、もし成功がついてこなければ突然しっぺ返しが始まる。そして彼らは自分たちの地位や仕事、クオリティーに執着し始めるんだ」