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「新型コロナ感染を隠した?」レーシングポイントに疑惑の目

2020年10月23日(金)5:16 am

レーシングポイントのランス・ストロールとその父親でありチームオーナーのローレンス・ストロールが新型コロナウイルス検査で陽性となっていたことが明らかとなったが、一部のメディアがそれに関する疑惑を報じている。

●F1第12戦ポルトガルGP タイムスケジュール

ニュルブルクリンクで行われたF1アイフェルGPにおいて、ストロールは土曜日の朝に腹痛を訴えてフリー走行3回目への出走をとりやめていた。

そのレースでは急遽ニコ・ヒュルケンベルグが代役として予選から出走し、決勝では8位入賞という結果を残している。

その後、ストロールとその父親が新型コロナウイルスに感染していたことが明らかとなったものの、レーシングポイントではそれはニュルブルクリンクを去った後でのことだという主張を繰り返している。

だが、ストロールはドイツからプライベートジェットで自宅のあるスイスに戻っていたものの、実際にはヒュルケンベルグがまさにレースで戦おうとしていた日曜日(11日)の朝の検査で陽性反応を示していたことを21日(水)にツイッターで明らかにしている。

ストロールはそこから10日間にかけて自身を隔離状態に置いており、現在ではテストで陰性という結果が出たことから今週末にポルティマオで行われる第12戦ポルトガルGP(25日決勝)に出走する予定だとしている。

一方、レーシングポイントのチーム代表を務めるオットマー・サフナウアーは、ストロールの新型コロナウイルス感染は事実だったと認めたものの、「診断を受けた医師は彼の症状がcovid-19感染によるものだとは考えておらず、テストを受ける必要があるとの助言も行っていなかった」とし、次のように付け加えている。

「この臨床評価を元にすれば、あの時点ではFIA(F1統括団体の国際自動車連盟)に対して病気の性質を報告することは求められていなかった」

しかし、ドイツの『Auto Motor und Sport(アウト・モートア・ウント・シュポルト)』は、その説明には疑念を持たざるを得ないと次のように報じている。

「そうした症状を訴えた患者を、その疾患が何であるのかがはっきりするまで隔離することなく空路で帰国させたことは批判を生む原因となるだろう」

スペインの『El Mundo(ムンド)』も、このニュースは「疑惑」を生むものだと報じ、次のように付け加えている。

「どうして彼はサーキットで検査を受けることなく家に帰ったのだろう?」

ドイツの『Bild(ビルト)』も、これは「不可解」だと次のように報じている。

「なぜストロールは土曜日にすぐコロナ検査を受けなかったのだろうか? 彼の代役を務めたニコ・ヒュルケンベルグは土曜日の午前中に検査を受け、1時間後には陰性との結果が出て出走が可能と認められていた」

「どうしてチーム(レーシングポイント)は、明らかにその可能性を除外することはできなかったのに、一貫してレース週末の間ストロールはコロナで体調を崩したわけではないと言い続けていたのだろう?」

「FIAも、それはレーシングポイントが何としてもニュルブルクリンクのスタートラインにつきたいと思っていたからではないかとの非難に反証する情報を提供する必要があるだろう」

伝えられるところによれば、万一ストロールの出走が認められなかった場合に備え、ポルトガルGPの舞台となるアルガルヴェ・サーキット(ポルティマオ)にもヒュルケンベルグがスタンバイすることになったという。

ともあれ、ここまでに新型コロナウイルスに感染したF1ドライバーはいずれもレーシングポイントのセルジオ・ペレスとストロールだけとなっており、レーシングポイントの新型コロナウイルス対策の甘さが指摘されてもしかたがない状況となっていることは確かだろう。

こうした中、レッドブルでは今週末のポルトガルGPにはセバスチャン・ブエミをチームに帯同させ、万一のために備えることにしたと伝えられている。

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