レッドブル首脳のひとりであるヘルムート・マルコ(モータースポーツアドバイザー)が、自分たちが再びF1で最高のシャシーメーカーの座に復帰できるはずだと語った。
天才F1マシン設計者とも表されるエイドリアン・ニューウェイ(最高技術責任者)を擁するレッドブルのシャシーは長年にわたってF1最強だと言われてきていた。
だが、近年ではシャシー性能の面でもチャンピオンチームであるメルセデスに追い抜かれてしまったのは間違いないと考えられている。
2020年はマックス・フェルスタッペンをF1史上最年少チャンピオンにするのだとしていたレッドブルだが、実際にシーズンが蓋を開けてみれば、やはりメルセデスの独走を許す形となっている。
そして、これは必ずしも搭載するホンダエンジンだけのせいではなく、シャシー性能においてもメルセデスに一歩先を行かれているためだ。
こうした中、マルコは『Sky Deutschland(スカイ・ドイツ)』に次のように語った。
「ニュルブルクリンク(第11戦アイフェルGP)では今シーズンの中で一番メルセデスに接近できていた」
「我々はRB16(レッドブル2020年型マシン)で苦しんできたが、今ではその理由がはっきりしている。空力を不安定にする原因となっていたエラーを見つけたんだ」
しかし、マルコもすでに今季フェルスタッペンがタイトルを獲得するチャンスはないと認めている。6戦を残す段階でランキングトップに立っている現F1チャンピオンのルイス・ハミルトンと3番手に位置しているフェルスタッペンには83ポイントもの大差がついてしまっているためだ。
マルコは、レッドブルが今季苦戦を強いられることになったのは新型コロナウイルスのパンデミックという異常な事態が発生したことが大きかったのだと次のように続けた。
「我々には今年の設計ミスを修正することができなかった。それに、連戦が続いたことで、そもそも問題の原因を特定することさえ困難だったんだ」
「幸いなことに、今はまたうまく軌道に乗ってきたよ」
ライバルたちに大きな差をつけたメルセデスはすでに2020年型F1マシンの開発をストップしたことが明らかとなっている。だが、レッドブルではこれからも現在のマシンの開発を継続していく腹づもりだ。
「シャシーに関しては、以前のような状況に返り咲くことが可能だと信じている。我々は毎年最高のシャシーを製造してきていたんだ」
そう語ったマルコは次のように付け加えた。
「それを達成するために、最後のレースまで開発を続けていくよ。これから行う変更をそのまま持ち越すことはできないが、それらを2021年型マシンの基盤として用いることは間違いなくできるからね」