NEXT...F1開催スケジュール

「自分を降格させたレッドブルをやっつけたガスリーはすごい!」とハミルトン

2020年09月08日(火)11:43 am

現F1チャンピオンのルイス・ハミルトン(メルセデス)は、先週末にモンツァで開催されたF1イタリアGPでキャリア初優勝を果たしたピエール・ガスリー(アルファタウリ)はこれまでレッドブルから公平に扱われていなかったように感じていたようだ。

●【決勝レース結果】2020年F1第8戦イタリアGP決勝レースのタイム差、周回数

予期せぬ波乱の展開となったイタリアGP決勝は、今季初めてメルセデスやレッドブル・ホンダのドライバーが1人も表彰台に上ることができないという驚きの結果となった。

そしてその表彰台の中央に立ったのは10番グリッドからスタートしたガスリーだった。セーフティカー導入や赤旗による運をつかんだという面はあるもののして先頭でチェッカーフラッグを受けた24歳のガスリーは2018年にトロロッソ(現アルファタウリ)のフルタイムドライバーとなると2019年にはレッドブルのドライバーに抜擢されていた。

だが、チームメートのマックス・フェルスタッペンに大きな差をつけらえる苦しい展開が続き、シーズン前半が終了したところでガスリーはアレクサンダー・アルボン(現レッドブル・ホンダ)との入れ替えにより再びトロロッソに降格されるという憂き目にあってしまった。

再びトップチームのレッドブル返り咲きを目指すガスリーは2020年シーズンにはかなり高いパフォーマンスを発揮しており、苦戦が続くアルボンと再び交替させるべきだと報じるメディアも増えてきている。

■レッドブル復帰の準備はできているとガスリー

ガスリー本人も自分にはすでにその準備は整っているとイタリアGP決勝後に次のように語った。

「準備は整っていると思うけれど、以前も言ったように、それは僕が決めることじゃないからね」

「いい道具を手にすることができているし、自分たちが示したパフォーマンスには本当に満足しているよ。この良い結果にはそれなりの報いがあるべきだと思うけれど、どうなるのかはそのうちに分かるだろうね」

しかし、現時点においてはレッドブルでは不調のアルボンを今後も起用し続けることを示唆している。それは、レッドブル・レーシングのチームオーナーである世界的エナジー飲料メーカーのレッドブル社はタイとのつながりが強く、商業的な面からタイ国籍ドライバーであるアルボンを走らせるメリットが大きいためだと言われている。

■レッドブルのガスリーに対する処遇を疑問視するハミルトン

セーフティカー導入時にピットクローズのサインを見落としたことで自らイタリアGPの勝利を手放した形となってしまったハミルトンだが、優勝したガスリーはこれまでレッドブルから公平な扱いを受けられていないのではないかと次のように語っている。

「彼(ガスリー)がレッドブルから公平な扱いを受けられていたのかどうかは分からない。ドライバーである彼にとってそれは楽なことではなかったと思うよ」

2019年にトロロッソに降格されたガスリーに言及したハミルトンは次のように続けた。

「ほかのチームで再び自信を取り戻すのは簡単なことではないんだ。だから、僕は本当にすごいと思ったよ。彼は今回の成功に値するし、これによってさらに飛躍するはずだ」

「彼が自分を降格させたチームをやっつけてみせたんだから、彼ら(レッドブル)も痛い思いをしたと思うよ」

■降格をバネに奮起したガスリー

今季のガスリーの好調は、昨年の降格がバネとなっているのは確かだろう。

イタリアGPで初勝利を遂げたガスリーは、昨年トロロッソに降格されたという「負のエネルギー」を「前向きなもの」に変えるように努めてきたのだと認め、次のように続けた。

「心の奥底では、あのこと(降格)で自分が傷ついたし、フェアだとは感じられず、あのときは本当にはっきりと主張したいと思っていたよ」

■ガスリーを手放したくないとアルファタウリのボス

ガスリー自身の目標はもちろんトップチームであるレッドブルに返り咲くことだ。

しかし、アルファタウリとしてもガスリーをすぐに手放したいとは思っていないようだ。アルファタウリのチーム代表を務めるフランツ・トストは今後もガスリーが留まってくれることを望んでいると次のように語った。

「もし彼ら(レッドブル)が彼(ガスリー)を連れていくということになれば、それは我々のチームがうまくやっているということになる」

「だが、現時点においては私はかなり楽観的だし、ピエールは我々のところに留まるだろうと思っているよ」

そう語ったトストは、2019年にレッドブルからトロロッソへ降格されたことでガスリーが非常に辛い思いをしていたのは確かだと、次のように付け加えた。

「私は彼に言ったんだ。『ピエール、我々は素晴らしいスポーツの一員だ。だが、そこには欠点もあるんだ』とね。あれは彼にとってはつらいことだった。しかし、彼はそれに耐えるしかなかった。そして彼は非常にいい仕事をやってみせたよ」

前後の記事
最新ニュースをもっと見る  >
TopNewsの最新ニュースが読めるよ!
facebookフォロー Twitterフォロー RSSでチェック