F1第8戦イタリアGP(6日決勝レース、モンツァ)のフリー走行2回目が行われた。
●【FP2結果】2020年F1第8戦イタリアGPフリー走行2回目のタイム差、周回数
天候は晴れ、気温27℃、路面温度44℃、湿度47%のドライコンディションだ。
開始から13分、アレクサンダー・アルボン(レッドブル・ホンダ)がトップタイムを記録すると、すぐにピエール・ガスリー(アルファタウリ・ホンダ)が塗り替えトップに躍り出た。ホンダ勢が好調だ。
セバスチャン・ベッテル(フェラーリ)は「僕の周りにクルマある?スリップストリーム効かせられないね」と無線で嘆く。モンツァでは他のマシンの後ろについて走るスリップストリームを効かせて走ることで大きくタイムが変わってしまう。
残り50分過ぎ、各マシンはソフトタイヤを履いて続々とコースイン。
残り45分過ぎ、予選を見据えてコース上の全15台がスロー走行し電車が連なるような大渋滞。誰もが前のマシンの後ろについて空気抵抗を減らして走行したいところだが、すでにFIA(国際自動車連盟)は昨年の予選での教訓から、極端なスロー走行をしないよう通達済みだ。しかし、渋滞しながらも他のマシンの後ろで空気抵抗を減らして走りたいのは0.001秒を争うレーシングドライバーの本能だろう。
残り38分、シャルル・ルクレール(フェラーリ)が無線で「なんて惨事なんだ。予選のいい練習にはなったけど惨事になるだろうね」と嘆く。この時点で8番手につけたものの、全力を出したタイムにフェラーリのマシンの限界を感じているようだ。
各マシンは、限界を試しているためかトラックリミットを超えてタイム抹消が続発。全ドライバー、ベストな走行ラインを探っている。
残り25分、ルイス・ハミルトン(メルセデス)は「スタートする時、つま先に何かが当たってる」と無線で伝える。少しの違和感でも気になるものだ。
残り22分、ジョージ・ラッセル(ウィリアムズ)は無線で「すごくソフトすぎる」とマシンの状況を訴える。
残り17分、セバスチャン・ベッテル(フェラーリ)が単独スピン。チームが無線で「大丈夫?」と聞くと、ベッテルは「クルマは大丈夫だけど、(タイヤに)フラットスポットを作っちゃった」と伝えてピットへ戻りガレージに入った。すぐ後ろを走っていたダニエル・リカルド(ルノー)は急ブレーキングで冷静に避けて通った。
残り12分、コースアウトしたシャルル・ルクレール(フェラーリ)が無線で「すごくドライブするのが難しいよ」と伝える。タイヤのグリップが明らかに足りていないようだ。
残り10分、ピエール・ガスリー(アルファタウリ・ホンダ)が1コーナーを止まれず直進。無線で「クルマの後ろが跳ねている。大きな問題だね」と伝えた。ここモンツァではリヤウィングが小さく薄いため、リヤが不安定になりやすくなる傾向があり、これがトラブルでなければ、ストレートスピードとダウンフォースのちょうど良いセッティングを探っていることが考えられる。
残り6分、ランド・ノリス(マクラーレン)が3番手タイムを記録。ガスリーやフェルスタッペンを上回った。路面にはラバーが乗っており、タイムが出る条件は整ってきている。
残り4分、ホームストレートでルクレールはガスリーにオーバーテイクされる。2台ともにDRSを使用していたがフェラーリは抵抗することもできないくらいだった。
その後、ルクレールの後ろにベッテルがついてスリップストリームでタイムを伸ばそうとするものの、ベッテルはスリップストリームに十分に入れず、「離れていく」と自身のマシンが遅いことを嘆いた。問題は深刻だ。
フェルスタッペンはロングランをするものの、メルセデスとの差は大きい。ここでも厳しい戦いになりそうだ。
トップタイムはルイス・ハミルトン(メルセデス)、2番手はバルテリ・ボッタス(メルセデス)、3番手はランド・ノリス(マクラーレン)だった。
レッドブル・ホンダのマックス・フェルスタッペンは5番手、アレクサンダー・アルボンは14番手。
アルファタウリ・ホンダはピエール・ガスリーが4番手、ダニール・クビアトは7番手だった。