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効果はいかに?今週末のF1イタリアGPから“パーティーモード”が禁止

2020年09月05日(土)11:16 am

今週末に開催されるF1イタリアGP(6日決勝)の大きな注目点のひとつはこのレースから導入されるエンジンの予選モード禁止ルールがどういう結果をもたらすのかということだろう。

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2014年以降昨年まで6年連続でF1タイトルを独占してきている最強チャンピオンチームのメルセデスだが、レースでの強さはもちろん“パーティーモード”とも呼ばれるエンジンセッティングが施された予選での強さはさらに群を抜いていた。

だがイタリアGP以降この予選用エンジンセッティングが禁止され、予選も決勝も同じモードセッティングで戦うことが義務づけられることから、メルセデスとレッドブル・ホンダなどのライバルとの差が縮まってくるのではないかと考えられている。

■モンツァではその恩恵は期待できないとレッドブル

だが、今週末のレースではメルセデスの快進撃にストップをかけられると思うかと尋ねられたレッドブルのヘルムート・マルコ(モータースポーツアドバイザー)は次のように答えている。

「難しいね。モンツァはパワーサーキットだからね」

マルコが認めたように、予選モードが禁止されるとは言え、メルセデスエンジンの性能が現時点においてはホンダ、ルノー、フェラーリを大きく上回っているのは事実だ。

「新しいルールによって被る不利益がメルセデスよりも僕たちの方が小さいことを期待しているよ」

現在ドライバーズランキングトップのルイス・ハミルトン(メルセデス)と47ポイント差の2番手に位置しているレッドブル・ホンダのマックス・フェルスタッペンはそう語ると次のように付け加えた。

「僕たちのパワーモードは通常に比べてそれほど強力なものではなかったんだ。だから、僕たちにはそれほど大きく失うものはないはずだよ」

■フェラーリエンジン勢も新ルールに期待

今回導入される新ルールに期待しているのはトップチームのレッドブル・ホンダばかりではない。

現在フェラーリからエンジン供給を受けているハースもそのひとつだ。

現在メルセデスエンジンを搭載するウィリアムズと最下位争いを演じているハースのギュンター・シュタイナー(チーム代表)は次のように語った。

「このルール変更でほかのチームの方が我々よりも大きな影響を受けることを期待しているよ。以前も言ったが、それが望みなんだ」

そして、今季これまでにない苦境に立たされているフェラーリのチーム代表マッティア・ビノットも次のように語った。

「モンツァはパワーサーキットだし、我々がここでベストな位置にいないことは確かだ」

「だが、パーティーモード禁止によって力関係が変わる可能性もあるだろう」

「非常に興味深くなりそうだよ」

■新ルールはメルセデスに有利になるだけだとラッセル

しかし、メルセデスエンジンを搭載するウィリアムズのジョージ・ラッセルは、今回の予選モード禁止はメルセデスエンジンユーザーにとって有利に働くはずだと考えている。

「多分、僕たちは予選でライバルたちよりコンマ1秒遅くなるだろう。でも、レースではその逆になると思うよ。と言うのも、メルセデスはレース全体を通してものすごくいいパワーを供給することができるからね」

「僕たちとレーシングポイントが受ける影響の方がメルセデスよりも大きくなると思う。彼らは予選ではすでにかなりの差をつけているからね。そして、レースでの彼らは今後さらに速くなると思うよ」

「メルセデスを遅くしようという試みは逆の結果になるだろうね」

実際のところ、メルセデスではイタリアGPで新ルールが導入されることに備えて、すでに先週末にスパ・フランコルシャンで行われたベルギーGPではこれまでの予選モードは使用せず、レースにおいてオーバーテイク時に一時的にパワーを向上させるセッティングだけを使用していたことが明らかとなっている。

ドイツの『Auto Motor und Sport(アウト・モートア・ウント・シュポルト)』はメルセデスのあるチームメンバーによる次のようなコメントを引用している。

「(スパでは)我々はモンツァのことを頭の片隅に置いていたし、新たな時代に向けて可能な限り斬新なエンジンを持ち込みたいと思っていたよ」

■力関係は変わらないはずだとノルベルト・ハウグ

2012年までメルセデスのモータースポーツ責任者を務めていたノルベルト・ハウグは、予選モード禁止はそれほど大騒ぎするほどのことではないと考えている。

「きっと、力関係はこれまでと同じで変わらないだろう」

母国ドイツの『Bild(ビルト)』にそう語った67歳のハウグは次のように付け加えた。

「あちこちでグリッドには変化があるかもしれない。だが、メルセデスはナンバー1であり続けるよ」

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