南オーストラリア州が2021年F1開幕戦開催に意欲
南オーストラリア州の小さな町が2021年のF1開幕戦の舞台となる可能性も出てきているようだ。
近年、F1開幕戦はオーストラリアのメルボルンにあるアルバート・パーク・サーキットで開催されてきている。
だが、今年のオーストラリアGPは新型コロナウイルスにより開幕直前にキャンセルとなってしまった。メルボルンはその後も封鎖措置がとられているが、最近ビクトリア州政府がこの措置を少なくともあと6か月延長する方針を明らかにしている。
その状況が変わらず、2021年2月まで封鎖措置が続けば、3月にメルボルンでF1を開催することは現実的に不可能となってしまう。
こうした中、南オーストラリア州が2021年のF1開催に名乗りを上げている。
南オーストラリア州知事のスティーブン・マーシャルは「湯水のごとく金を使うわけにはいかない」としつつも、州都アデレードの南東に位置するテーレム・ベンドという小さな町にあるザ・ベンド・モータースポーツ・パークでのF1開催を支援する用意があると認めている。
F1オーストラリアGPは1985年から1995年までアデレード市街地コースで開催されたことがある。しかし、今回候補に上っているザ・ベンド・モータースポーツ・パークは2018年1月にオープンしたばかりのパーマネントコースだ。
このコースは「世界的に見ても最高レベルのレーシングサーキットだ」と胸を張ったマーシャル知事は次のように続けた。
「南オーストラリアにイベントを誘致するということに関して、我々はあらゆる選択肢を検討するつもりだ」
「もちろん、商業的観点から見て説得力のあるものでなくてはならない。だが、南オーストラリアに素晴らしいイベントを誘致することができれば、それが経済活動を活発化させ、我々の経済を盛り上げることになるだろう。現時点において我々はそこに目をつけているんだ」
「メルボルンでグランプリが開催できない場合、我々が非常にいい位置にいると私は考えている。我々としては盗もうとしているわけではないよ。だが南オーストラリアには素晴らしいサーキットがあり、もう準備が整っているんだ」
ザ・ベンド・モータースポーツ・パークの責任者を務めるサム・シャヒンによれば、近いうちに行われる予定となっている国内レースでは1万人の観客動員が認められることになっており、いくつかの安全対策を調整することでF1開催も十分に可能だという。
