FIA(F1統括団体の国際自動車連盟)が、先週末にスパ・フランコルシャンで行われたF1ベルギーGP決勝でクラッシュを喫したアントニオ・ジョビナッツィ(アルファロメオ)のマシンからタイヤホイールがはずれてしまった原因の調査に乗り出した。
レース中に縁石に乗ってコントロールを失ったジョビナッツィはそのままコース右のウォールにクラッシュ。ジョビナッツィのマシンはその反動でコースに向かって跳ね飛ばされたが、そのときにタイヤホイールがはずれてしまい、後ろを走行していたジョージ・ラッセル(ウィリアムズ)のマシンを直撃してしまったのだ。
幸いドライバーたちに怪我はなかったものの、ラッセルはタイヤホイールが自分をめがけて飛んできたことには驚かされたとドイツのテレビ局『RTL』に次のように語った。
「僕がそれにぶつかってしまったのは不運だった。だけど、あれがマーシャル(コース係員)や、もし観客がいたらその中の誰かに当たる可能性だって十分にあったよ」
「全てのアクシデントから学ぶことができるし、これについて改善しなくてはならないのは確かだよ」
とは言え、すでに現在のF1技術レギュレーションには大きなクラッシュが発生してもタイヤホイールがマシンからはずれることがないように強化繊維で造られたテザー(ロープ状のもの)でしっかりとつないでおくことが義務づけられている。
F1レースディレクターを務めるFIAのマイケル・マシは、今回どうしてジョビナッツィのタイヤホイールがはずれてしまったのか慎重に調査する必要があると次のように語っている。
「何がまずかったのか100パーセント確実なことは言えない。ああした事故のすぐ後で結論を導きだすのは性急に過ぎるよ」
「全てのデータを非常に慎重に検証していくつもりだ」