マクラーレンのカルロス・サインツが、先週末にスパ・フランコルシャンで開催された2020年F1第7戦ベルギーGP決勝をスタートすることができなかったのは搭載するルノーエンジンのトラブルだったと暴露した。
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ベルギーGP決勝を7番グリッドからスタートすることになっていたサインツだが、レース直前のレコノサンスラップ中にマシントラブルが発生。マシンをガレージに戻したサインツだが修理はできず、結局グリッドにつくこともできずにスパでの週末を終えることになってしまった。
マクラーレンではこのサインツのマシンに起きたトラブルは「排気系の故障」だとしていた。
しかし、サインツは母国スペインのテレビ局『Movistar(モビスター)』に次のように語った。
「僕がどれだけがっかりして不満を抱えているのか想像できるよね」
「グリッドにつくための2回目の周回中に何か匂いがし始めたんだ。ものすごくひどい匂いだったよ。ミラ-をのぞき込んだら排気管からすごく煙が出ていた。そして排気管が壊れたような音がし始めたんだけど、実際に壊れていたよ」
「だけど、僕たちとしてはその問題が起きたのはエンジンのシリンダーに原因があったんだと信じているよ。僕はそのことをしゃべろうとしたんだけど、チームから話さないようにと言われたんだ」
2021年からメルセデスエンジンにスイッチすることが決まっているマクラーレンにとって今年がルノーエンジンで走る最後の年になる。
しかし、今年のルノーエンジンがかなり強力であるのは間違いなく、ベルギーGPではワークスチームのダニエル・リカルドとエステバン・オコン、そしてサインツのチームメートであるランド・ノリス(マクラーレン)がいずれも予選Q3に進出し、決勝でもそれぞれ4位、5位、7位という成績を残している。
しかし、サインツはその勢いが今後のレースでも続くのかどうか、かなり不安を感じているようだ。
「奇妙だよ。だってこのエンジンはすごくよく回っていたからね。このエンジンを投入してから2レース目だったんだけど、すでにこれ以上はもたないように感じられたよ」
そう語ったサインツは次のように付け加えた。
「まずいのは、これが今シーズン最初のトラブルではないってことさ。なかなかポイントをとることができず、リズムに乗ることができないシーズンになっているよ」
7レースを終えた時点でチームメートのノリスは45ポイントを稼いでドライバーズランキング7番手につけている。しかし、サインツは23ポイントしか獲得できておらず、ルノーエンジンユーザーの中では最下位となるランキング11番手にとどまっている。
だが、現在サインツが苛立ちを感じている理由は必ずしもそのことだけではないかもしれない。
というのも、来季サインツが移籍することが決まっているフェラーリのスパ・フランコルシャンでの低迷ぶりはまさに目を覆いたくなるほどだったからだ。2021年も2020年型車をベースとするマシンで戦うことになるだけに、来季のフェラーリF1マシンが見違えるほど強くなることは考えにくい状況だ。
ひょっとしたら、サインツの心の中にフェラーリ移籍を決めたことに対する後悔の念が生じ始めているのかもしれない。