最近、現在F1に参戦している10チーム全てが2021年から2025年までの5年間にわたるF1参戦契約である通称“コンコルド協定”を結んだことが明らかとなった。
だが、その新コンコルド協定にはこれまでにはなかった“契約解除条項”が盛り込まれていることも同時に明らかになっている。
2014年以降6年連続でF1タイトルを独占してきている最強チャンピオンチームのメルセデスはF1オーナーのリバティ・メディアが提示した2021年以降のコンコルド協定内容に不満を感じており、一時はF1から撤退する可能性もあると言われていた。
さらに、レッドブルも現在エンジンサプライヤーを務めているホンダとの契約が2021年までしかなく、現時点においてはホンダが2022年以降もF1活動を継続するかどうかを明らかにしていないことから2025年までのコンコルド協定締結にあたって慎重な姿勢を示していた。
しかし、メルセデスもレッドブルも最終的には新コンコルド協定にサインしたわけだが、その背景には原則は5年契約であるものの、毎年末をもって契約を解除してF1から撤退することが可能となる解除条項が設けられているようだとの情報が伝えられていた。
新コンコルド協定の締結を終えたレッドブルのクリスチャン・ホーナー(チーム代表)は次のように語った。
「過去にバーニー・エクレストン(前F1最高責任者)と交渉するのは常に楽しかったよ。だが、リバティは非常に公平だったし、実際のところ我々がバルセロナで最初に契約書にサインしたチームだったんだ」
さらに、レッドブルのモータースポーツアドバイザーを務めるヘルムート・マルコも、伝えられていたように新コンコルド協定には契約解除条項が存在していることを認め、『motorsport-total.com』に次のように語っている。
「以前のように全てが確実な状況ではないし、毎年キャンセルすることが可能なんだ」
「ホンダとの現在の契約は2021年までとなっている。だから、エンジンサプライヤーとチームが財政的に別のままであることが重要だったんだ」
そう語ったマルコだが、レッドブルとしては新コンコルド協定で実現することになるF1チームへの新たな収益分配モデルにも満足していると示唆している。
新コンコルド協定ではこれまでよりも小規模チームへの分配金が増やされ、その分上位チームの取り分が減らされることになると考えられている。
しかし、マルコは、レッドブルの場合はジュニアチームのアルファタウリがあることでその影響はそれほど大きくはないはずだと次のように語っている。
「レッドブル・レーシングで失うものはアルファタウリでほぼ取り戻せるよ」