今年イタリア国内で開催される3つめのF1レースは観客を迎えて行われることになるかもしれない。
新型コロナウイルスのパンデミックによりカレンダーの大幅な修正を余儀なくされた2020年のF1だが、現時点では全13戦によって構成されたカレンダーが発表されている。
ここまでにそのうち6レースが行われており、今後今週末の第7戦ベルギーGP(スパ・フランコルシャン/30日決勝)から第8戦イタリアGP(モンツァ/9月6日決勝)、第9戦トスカーナGP(ムジェロ/9月13日決勝)までまた3週連続となる過密スケジュールのもとでグランプリが開催されることになる。
今のところ、そこまでのレースは全て新型コロナウイルス対策により無観客レースとして行われることになっているが、その次に行われる第10戦ロシアGP(9月27日決勝)は3万人の観客を動員する計画が進められている。
さらに、第12戦として予定されているポルトガルGP(10月25日決勝)の舞台となるポルティマオも5万人ほどの観客を入れる計画であることを明らかにしている。
そして、イタリアでの3レース目となる第13戦エミリア・ロマーニャGP(11月1日決勝)が開催されるイモラ・サーキットでも観客を入れる方向で準備を進めているようだ。
イモラのレースプロモーターを務めるウベルト・セルバティコ・エステンセはイタリアの『Autosprint(オートスプリント)』に次のように語った。
「観客を入れて開催する可能性があると考えている」
「(エミリア・ロマーナ州の)知事の(ステファノ)ボナッチーニがミサノ(イタリア北東部にあるサーキット)に最大1万人の観客を動員することを認める条例を公布したんだ。そしてイモラでも10月末から11月初旬ならこの程度の(観客)収容を実現するのは可能だと信じている」
「我々は総合的な安全対策のもとでさらに人数を増やそうと取り組んでいるところだ」
1980年にF1イタリアGPを初開催したイモラだが、翌1981年から2006年まではサンマリノGPという名称でF1を開催した実績がある。
1994年にはアイルトン・セナとローランド・ラッツェンバーガーが事故死するという悲しい事故が起きたことでも知られるイモラだが、新型コロナウイルスによるカレンダー修正に伴って今年14年ぶりにF1が開催されることになる。
「長年にわたって我々にとってはF1開催に向けてグレード1認証を有効に維持することが常識となっていたし、そのための安全対策を導入してきた。それはマイケル・マシ(FIAのF1ディレクター)も認めている」
「私はこうしたことによって我々が世界でも最高レベルだと考えられるサーキットになっていると考えているよ」
一方、バルテリ・ボッタスが24日(月)にメルセデスの市販車で一足先にイモラ・サーキットの感触を確認したようだ。
「僕は一度もここでレースをしたことがないから、このサーキットを知るチャンスを利用したんだ」
2013年にウィリアムズでF1デビューを飾ったボッタスはそう語ると次のように付け加えた。
「多くの歴史を持つ非常に象徴的なサーキットだ。ドライバーたちがここを愛する理由が理解できるよ」