ニコ・ヒュルケンベルグが、もしメルセデスからリザーブドライバーとしての契約を打診されても断るだろうと示唆した。
新型コロナウイルス感染が確認されたセルジオ・ペレスの代役としてシルバーストンで開催された2020年のF1第4戦イギリスGPと第5戦70周年記念GPに出走したドイツ人ドライバーのヒュルケンベルグだが、初めて乗ったレーシングポイントF1マシンで素晴らしいパフォーマンスを発揮して見せた。
ヒュルケンベルグがF1マシンのステアリングを握ったのはルノーに在籍していた2019年シーズンの最終戦以来であり、その適応力の高さに驚かされたF1関係者も多かったようだ。
メルセデスF1チームを率いるトト・ヴォルフ(チームCEO)も、今後自分たちのチームの控えドライバーとしてヒュルケンベルグを検討する可能性もあると示唆していた。
だが、ヒュルケンベルグは母国ドイツのテレビ局『Sport1(シュポルト1)』が発行する『AvD Motorsport Magazin』に次のように語った。
「僕はリザーブドライバーの役に回るつもりはないよ」
「僕は10年もレースシートに座っていた。だからレギュラードライバーになれる見込みがあまりないまま後退することを受け入れるのは僕にとっては意味がないんだ」
しかし、今年はどのレースシリーズにも参戦していないヒュルケンベルグは、新型コロナウイルスの状況が落ち着くまでは要請さえあれば代役を引き受けることに問題はないと次のように続けた。
「もちろん、コロナによってまた何かが起きる可能性は十分にある。絶対にそうなると思ってはいないけれどね。僕は体調を維持し、できる限りの準備はしておくつもりだよ」
「でも、毎週のようにそんなことが起きるとは思っているわけじゃないよ。僕は2021年の復帰に向けて取り組んでいるところさ」
そのヒュルケンベルグに関しては、2021年に向けてレッドブル・ホンダのシート獲得を視野に入れているようだとのうわさもある。
現在マックス・フェルスタッペンのチームメートを務めているアレクサンダー・アルボンが期待されたようなパフォーマンスを発揮することができていないレッドブルにとって、ヒュルケンベルグは理想的な後任候補の1人ではないかとの声もある。
だが、レッドブルのドライバープログラム責任者として知られるヘルムート・マルコは『motorsport-total.com』に対し、そうしたうわさに関して次のように語った。
「ニコははっきりと来季は加入可能だと私に言ったよ」
「だが、それは彼がレッドブルで走るということを意味するものではないよ。いいパフォーマンスを示していると私がほめたドライバーが我々のチームに来ることになれば10台のマシンが必要になるだろうね」