ドイツの『Auto Motor und Sport(アウト・モートア・ウント・シュポルト)』が報じたところによれば、F1統括団体であるFIA(国際自動車連盟)がF1エンジンメーカーに対して2020年型F1エンジンのERSシステムに関する詳細情報の提示を求めたようだ。
今季のF1第6戦スペインGPが開催された先週末のバルセロナにおいて、FIAが突然これまでは認められていた“パーティーモード”と呼ばれる予選専用F1エンジンセッティングを次戦F1第7戦ベルギーGPから禁止することになるというニュースが報じられたばかりだ。だが、現時点ではそれが技術的にどのように監視されることになるのかなど、詳細はまだ明らかとはなっていない。
そうした中で伝えられた今回のニュースだが、『Auto Motor und Sport(アウト・モートア・ウント・シュポルト)』は次のように報じている。
「確かなことは、4社のエンジンメーカー(メルセデス、フェラーリ、ルノー、ホンダ)は彼らのERSシステムの詳細情報を8月21日までにFIAのサーバーにアップロードしなくてはならないということだ」
ERS(Energy Recovery System)とは「エネルギー回生システム」のことであり、パワーユニットと呼ばれる現行F1エンジンのうちMGU-H(熱エネルギー回生システム)とMGU-K(運動エネルギー回生システム)、そしてそれらの制御を行う電子システムなどがこれに該当するものと考えられる。
今回のFIAからの指示は“パーティーモード”禁止が守られているかどうかをチェックするために必要な情報を収集するためかもしれない。
だが、その一方で、FIAが今年のF1エンジンにも何らかの違法な手法が用いられているのではないかという疑念を持っているのではないかとの見方もあるようだ。
「今回の禁止にはさまざまなことが関連しているんだ」
ルノーF1を率いるシリル・アビテブールは母国フランスのテレビ局『Canal Plus(カナル・プリュ)』にそう語ると次のように付け加えた。
「FIAはチームたちとのいたちごっこに対応するのがさらに難しくなってきているんだ。規則を運用する者はすべてがレギュレーションに則っているかどうかを確実に判断するために十分なデータを手にしておく必要があるのさ」