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フェラーリの伝説的元F1エンジニアが現チーム代表のやり方を批判

2020年08月19日(水)19:31 pm

かつてフェラーリ創設者であるエンツォ・フェラーリの元で活躍した伝説的F1エンジニアであるマウロ・フォルギエリが、現在フェラーリのチーム代表を務めるマッティア・ビノットのやり方を批判した。

1960年代から80年代にかけてフェラーリF1マシンの開発責任者を務めていたフォルギエリは、特に1975年と1977年にF1チャンピオンとなったニキ・ラウダと二人三脚でフェラーリに栄光をもたらした人物として知られている。

現在85歳のフォルギエリは、フェラーリ専属ジャーナリストとして知られるレオ・トゥッリーニが運営するブログ『Quotidiano(クオティディアーノ)』の中で現在のフェラーリは「人材の問題」を抱えていると語り、次のように続けている。

「マラネロ(フェラーリ)には金が足りないなどということはない」

「フェラーリは技術部門体制を強化しなくてはならないと私は確信している。それも直ぐにね」

フェラーリは2019年1月にそれまでチーム代表を務めていたマウリツィオ・アリバベーネを更迭し、ビノットをその後任に据えていた。そして、それまで技術部門の責任者であったビノットはそれ以降チーム代表と技術責任者という二足のわらじを履くことになっていた。

しかし、ビノットは最近技術責任者の職を後任に譲り、自分はチーム代表に専念することになったと明かしている。

フォルギエリはビノットの置かれている立場も分かると次のように続けた。

「ビノットは非常にデリケートな役割を演じているよ。私も経験があるから分かる」

「ジェスティオーネ・スポルティーバ(フェラーリのモータースポーツ部門)の責任者を務めることは本当に難しいんだ。プレッシャーは計り知れないし、フェラーリでは許されることは何もないからね」

「ビノットはその技術にふさわしい人たちを自分の周りに抱えていなくてはならないのだが、それが明らかに欠如しているよ」

2020年のフェラーリが苦戦している大きな理由のひとつは、2019年に比べてエンジンパワーが大きく低下してしまったことにある。その理由はFIA(F1統括団体の国際自動車連盟)との密約により、ペナルティーを回避する代わりに何らかの技術的制約をフェラーリが受け入れたためだと考えられている。

しかし、今年のフェラーリF1マシンの問題はエンジンだけでなく「ほかのエリアにも誤りがある」と語ったフォルギエリは、中でも今年のフェラーリにおける最大の問題はビノットのドライバーマネジメントだと主張している。

例えば、シャルル・ルクレールは「非常に才能がある」ものの「まだ若すぎる」と語ったフォルギエリは、「フェラーリは彼にこれほど早くから大きな責任を負わせるべきではないよ」との助言を行っている。

フォルギエリはさらに、かつて自分のボスであったエンツォ・フェラーリならセバスチャン・ベッテルを今季限りで放出することを早い段階で公表するようなやり方は許さなかったはずだと考えている。

「私はエンツォ・フェラーリを困らせたくはない。なぜなら私は彼のことをよく知っていたし、彼なら絶対にやらないだろうという事柄のことも分かっていたからだ」

そう語ったフォルギエリは次のように付け加えた。

「しかし、彼ならきっとセブ(ベッテルの愛称)との別れは違う形で対処していたはずだよ。彼(ベッテル)にはもっと敬意を持った扱いをするべきだからね」

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