セバスチャン・ベッテルとフェラーリが一緒にF1を戦うのは2020年シーズンが最後となるのはすでに確定している。
だが、フェラーリがすでにシャルル・ルクレールを中心としたチームとなっているのは明らかであり、最近のベッテルはチームから十分なサポートを受けることができていないことに対し公然と不満を口にするようになっている。
こうしたことから、フェラーリとベッテルは今シーズンの途中でその関係に終止符を打つことになるのではないかとのうわさもささやかれるようになってきている。
しかし、イタリアの『Corriere della Sera(コリエーレ・デラ・セラ)』でF1記者を務めるダニエル・スパリッシはそうしたうわさには否定的だ。
「現時点では予定よりも早くセバスチャンと別れようとする動きはないよ」
ドイツの『Bild(ビルト)』にそう語ったスパリッシは次のように付け加えた。
「フェラーリにはほかにやるべきことがたくさんあるからね」
だが、F1関係者の中には、先週末にシルバーストン・サーキットで開催されたF1 70周年記念GP決勝中にベッテルが無線でチームを批判したことが両者の決別を早める引き金になるのではないかと考えている者もいる。
フェラーリでは1991年に自分が乗るフェラーリF1マシンはトラック並みだと発言したことで、シーズン終了を待たずしてアラン・プロストを解雇したという経緯があり、今回もそれと同じことが起きるのではないかというわけだ。
しかし、スパリッシは次のように続けた。
「あのときとは比較できないよ。それとは話が別だ」
「現時点では、イタリアにベッテルのあの発言を腹立たしく思っている者など誰もいないよ。フェラーリがあまりにも弱すぎるから、ベッテルのことなど大した問題ではないんだ」
一方、スイスの『Blick(ブリック)』紙の記者を務めるロジャー・ブノワもフェラーリがシーズン終了を待たずしてベッテルをチームから追い出すとは考えていないようだ。
「フェラーリはルクレールに賭けている。その一方でベッテルはチーム内で孤立しており、自信を失いつつある。そして今では不満を口にし始めた」
そう書いたブノワは次のように付け加えている。
「しかし、チームは選手権を戦う上で1ポイントでも多く稼ぐ必要がある。そして2020年シーズン中にすぐに代役が見つかるとは思えない」