ハースF1のチーム代表を務めるギュンター・シュタイナーが、F1ハンガリーGP決勝でペナルティーを受けたしまったものの今後もチームとしての取り組み方を変えるつもりはないと主張した。
路面が濡れた状態のもとでフォーメーションラップが開始されたハンガリーGP決勝だったが、16番グリッドスタートだったケビン・マグヌッセンと18番グリッドスタートのロマン・グロージャンはともにそのままピットへと戻りドライタイヤに履き替える戦略をとった。
これが功を奏して一時はハースの2台がトップ10圏内を走行。グロージャンは惜しくもトップ10入りを逃したものの、マグヌッセンは9位でチェッカーを受け、この時点ではチームにとって今季初となる2ポイントを獲得したかに思われた。
ところが、レース後にFIA(F1統括団体の国際自動車連盟)はマグヌッセンとグロージャンに10秒加算ペナルティーを科すことを決定。これにより10位に下がったマグヌッセンは1ポイントの獲得に留まってしまった。
このペナルティーは、フォーメーションラップ中にチームの指示によりピットインを行ったことがルールで禁止されている“ドライバーへの補助行為”だと判定されたことによるものだった。
マグヌッセンの父親であり、自身も元F1ドライバーであるヤン・マグヌッセンはこの裁定に関して母国デンマークの『BT』紙に次のように語っていた。
「これは公平な罰ではないよ。私の目には彼らがルールを破ったとは見えなかった」
「そういうルールが設けられていたことは知っているよ。だが、戦略的な指示は常に自由に出せるべきだ」
だが、ハンガリーでのペナルティーにもかかわらず、シュタイナーはもし同じような状況となればハースもまた同じようにドライバーに指示を出すだろうと次のように語った。
「間違いなく、我々はまた同じことをするよ」
「これまでに一度もなかったことが起こった場合、明確なレギュレーションがなければペナルティーを受けてしまうんだ。残念ながら我々は異議申し立てを行うことはできない。タイムペナルティーだからね」
「我々はこのことから先へ進む必要がある。しかし、私はレースをする上でこういうことをやめる必要があるとは思わない」
「そうでなければ、会計士たちだってF1でレースができるよ」
ともあれ、2020年のハースは昨年にも増して苦戦を強いられているのは事実だ。新型コロナウイルス危機により財政面でも圧迫され、すでに2020年のF1マシン開発凍結を決めているハースにはF1から撤退する可能性もあるとのうわさすらある。
だが、シュタイナーは次のように付け加えた。
「楽な年にはならないだろうが、我々はここに留まるためにやっているんだ」