セバスチャン・ベッテル(フェラーリ)が来季アストンマーティンと名称を変えるレーシングポイントに移籍するかどうかがあと数日のうちにはっきりするかもしれない。
ドイツの『Auto Bild(アウト・ビルト)』によれば、レーシングポイントがセルジオ・ペレスと結んでいる契約に設けられている解除条項の行使期限は今月31日(金)までとなっているという。
つまり、レーシングポイントがペレスの契約解除条項を行使できる期限前にベッテルがオファーを受ける決断をしなければ、ベッテルが来季アストンマーティンでドライブする可能性は原則として消滅することになる。
『Auto Bild(アウト・ビルト)』は次のように付け加えている。
「我々の情報によれば、ベッテルは合意するしかない。そうすれば彼はシートを手にすることができる」
アストンマーティンに関しては、メルセデスF1チームCEOを務めるトト・ヴォルフも個人的に株主という形でそのプロジェクトに関わっている。
そのヴォルフもベッテルが来季アストンマーティンのドライバーとなることを期待していると示唆し、次のように語っている。
「セバスチャンは4回F1チャンピオンになっており、非常に速く、技術的経験も豊富だ」
「彼はアストンマーティンにとって重要なマーケティングツールともなるだろう」
しかし、ベッテルと同じドイツ出身の元F1ドライバーであるニック・ハイドフェルドは、ベッテルは今「非常に難しい決断」を迫られているはずだと考えている。
「彼は最初、トップチームで続けることしか考えていないと言っていた。だが、今の彼は『優れたパッケージ』を望んでいるだけだと言っている」
テレビ局『Sky Deutschland(スカイ・ドイツ)』にそう語ったハイドフェルドは次のように付け加えた。
「これは、彼が絶対にF1にとどまりたいと考えてドアを開いたのだと僕は受け止めているよ」
だが、ハイドフェルドも最終的にはベッテルがレーシングポイントのオファーを受けるのではないかと考えているようだ。
「フェラーリの現在のパフォーマンスを見れば、アストンマーティンの方がもっといいかもしれない」
2019年型メルセデスF1マシンのコピーだと考えられ、“ピンクのメルセデス”とさえ言われている今年のレーシングポイントに言及したハイドフェルドは次のように続けている。
「彼にとってはいい中期的選択肢だと僕は思うよ」
「メルセデスエンジンもうまく合っているしね。だけど、セバスチャンはチームにとって大きな助けになると思う」
「その経験により、セバスチャンなら真剣な野望を抱いているチームであればどこでも間違いなく違いを生み出すことができるよ」
ともあれ、ベッテルが2021年にアストンマーティンで走ることになるというニュースが今週末に今季のF1第4戦イギリスGP(8月2日決勝)が行われるシルバーストンで発表される可能性も大いにありそうだ。