7回F1王者となったミハエル・シューマッハの息子であるミック・シューマッハがF1に昇格するのを待ち望んでいるレースファンも多い。
現在フェラーリのドライバーアカデミーに所属しているミックはF1への階段を上るために今季はF2で2年目のシーズンに臨んでいる。そのミックが今シーズン中にもフェラーリからエンジン供給を受けているアルファロメオから金曜フリー走行に出走するチャンスを得るのではないかとのうわさもある。
だが、フェラーリF1チーム代表のマッティア・ビノットが今週、ミックが2021年にF1デビューできるかどうかはまだコメントできる状況ではないと語ったことが報じられている。
実際のところ、ミックは現在F2でランキング4番手につけており、このまま調子を崩すことなくに最後まで戦いきることができれば来季のF1昇格も視野に入ってきそうだ。
だが、そのミックの前に手強いライバルが立ちはだかろうとしている。
それは現在ミックが所属するプレマ・レーシングのチームメートであるロシア人ドライバーのロベルト・シュワルツマンだ。
ミック同様フェラーリドライバーアカデミーに所属する20歳のシュワルツマンはこれまではさほどメディアに取り上げられることも多くはなかったが、今季F2でデビューするとここまでの3ラウンド6レースで2勝を飾り、トータル81ポイントを稼いで現在ランキングトップに立っている。
現時点でランキング4番手のミックにすでに42ポイントの差をつけているシュワルツマンが一躍脚光を浴びるようになったのはそのためだ。
セバスチャン・ベッテル(フェラーリ)やダニエル・リカルド(ルノー)などを輩出したレッドブルのドライバー育成プログラム責任者であるヘルムート・マルコの目にもシュワルツマンは非常に有望だと映っているようだ。
「彼は知性的で速いし、タイヤをいたわっている。彼はすごく特別だよ」
『f1-insider.com』にそう語ったマルコは次のように付け加えた。
「もし私がフェラーリなら、彼を来年はアルファロメオに乗せるだろうね」
一方、アルファロメオ同様フェラーリからエンジン供給を受けているハースもシュワルツマンに目をつけていると考えられている。
かつてル・マン24時間レースや全日本GT選手権などで活躍したデンマーク出身の元レーシングドライバーであるジョン・ニールセンは、ロマン・グロージャンが2021年はハースのシートを失うことになるだろうと次のように語っている。
「ケビン・マグヌッセンはハンガリーでは非常によくやったし、それを今後も続けていく必要がある。だが、グロージャンには来シーズンに居場所があるとは思えないよ」
ともあれ、現在チームメートという関係にあるミック・シューマッハとロベルト・シュワルツマンがF1昇格を目指して今後F2でどのような戦いを繰り広げるのかにも注目が集まるのは間違いない。