ハースF1のチーム代表を務めるギュンター・シュタイナーが、2020年のフェラーリF1エンジンはよくないと認めた。
今季明らかにパフォーマンスで劣っているフェラーリだが、そのフェラーリからエンジン供給を受けているハースも苦戦を強いられている。今季2レースが終わった時点でまだ1ポイントも獲得できていないのはウィリアムズとハースだけだ。
自分たちの2020年型F1マシンはライバルたちに比べても遅いと認めたシュタイナーはデンマークの『Ekstra Bladet(エクストラ・ブラデ)』紙に次のように語った。
「まずは、ハンガリーのようなサーキットでどれほどのことができるかを見てみたいんだ。あそこには長いストレートはあまりないからエンジンパワーはそれほど重要ではないからね」
2019年はメルセデスをしのぐのではないかとまで言われたフェラーリエンジンだが、その合法性に疑惑の目が向けられ、最終的には統括団体であるFIA(国際自動車連盟)と秘密の合意が結ばれて一件落着となった経緯がある。
これにより、実際に2019年のフェラーリエンジンには違法な手法が用いられていたのは間違いなく、それによる優位性を失ったことが2020年のフェラーリのパフォーマンス不足につながったのだと考えている者が多いのは事実だ。
「よくなることを期待しているが、どうなるかまったく分からないよ」
今週末にハンガロリンクで行われる今季の第3戦ハンガリーGP(19日決勝)に言及しながらそう語ったシュタイナーは次のように続けた。
「バルセロナのテスト(2月に行われたプレシーズンテスト)では、オーストリアで我々よりも速かったライバルより我々の方が速かったんだ」
「我々がどういう状況にあるかが分かる前にハンガリーでのレースに臨まなくてはならない。だが、我々にとって今年は楽な年にはならないだろうね」
最近、今季限りでフェラーリを離脱するセバスチャン・ベッテルがもし興味を示せば喜んで迎え入れると語ったことが報じられたシュタイナーだが、実際にベッテルにオファーするつもりはあるかと尋ねられると次のように答えた。
「現時点では、恐らく彼は自分にどういう選択肢があるのかを調べているところだろう」
「だが、私は彼がどう考えているのかは分からない。彼は私に連絡してきたりしていないし、私も彼に連絡はしていないよ」
そう述べたシュタイナーは、ハースが2021年のドライバーラインアップを確定するのは年末になるかもしれないと示唆し、次のように付け加えた。
「今回のパンデミックにより現在我々にはやることがたくさんある。だからドライバーたちも今年いっぱいは待つことができるだろう」