いよいよF1が開幕。しかし、今年は何かが違う。そう感じた人も多いのではないだろうか?
もちろん新型コロナウイルスはF1のみならず私たちの生活に大きな影響を与えた。しかし、それだけではない、“何か”を静かに感じている人もいるのではないか?
レッドブル、マックス・フェルスタッペン、そしてホンダF1の静かなる自信だ。
それは日本人だけではなく、海外に生まれ海外で生活をする人の目にも同じように映っているようだ。
本稿では、毎日F1の情報に触れているアンドリュー・マテシッツ記者がオフシーズン中から感じていることを紹介しよう。
■“サムライ”の8つの美徳:ホンダがついにF1を制覇する準備を整えた(前編)
2月のオフシーズンテスト期間を見る限り、次のように結論付けた人も多いだろう。
1)フェラーリとFIAは、エンジンの不正行為スキャンダルに巻き込まれている
2)メルセデスはステアリングホイールを再発明した
3)新型コロナウイルスは世界選手権を完全に台無しにする可能性がある
4)メルセデスとルイス・ハミルトンが“再び”勝つ。
私はそのすべてに同意します。最後の点を除いては・・・。
■ハミルトンはシューマッハに並ぶのか?
6度の世界チャンピオンのハミルトンは信じられないほどの体型に見えるが、彼の自信はおそらくこれ以上高くなることはないだろう。彼はチャンピオンの回数は問題ではないという素振りを見せているが、35歳になるハミルトンは、ミハエル・シューマッハの持つ史上最多記録の7冠に並ぼうと必死だ。絶対に。
しかし、本当に重要なことは、もちろん、シルバー・アロー・・・いや今はブラック・アローの新車W11は恐ろしく速いということだろう。
■フェラーリの懸念はエンジン
メルセデスとは対照的なのがフェラーリだ。最後にチャンピオンを獲得した2007年(キミ・ライコネン)から13年ぶり、2020年にやっとチャンピオンを獲りに行くという大きなプレッシャーの中、深刻な問題に直面しているようだ。
一部の懐疑的なF1メディアの中には、冬の間にマラネロがエンジンのパワーノブをすべて下げてしまい、サンドバッグ状態になっていると信じている。
フェラーリのボスであるマッティア・ビノットの言葉をそのまま信じることは危険だ。彼がジャーナリストたちに語った時、彼の目は心配そうに感じたという。つまり、新車とエンジンはあまり良さそうではないということだ。
結局、オフシーズンの大きなスキャンダルは、2019年のエンジン不正行為の告発によりFIA(国際自動車連盟)がフェラーリと「秘密の和解」に達したことだった。
情報筋によると、フェラーリは今年のレギュレーションの“文言と精神に準拠”させるために、エンジンの大規模な設計変更を行わなければならなかったという。
しかし、もしフェラーリが抱えるこの問題によって、メルセデスが今年の表彰台の頂点に立つことを意味していると結論付けているなら、もう一度考え直したほうがいいかもしれない。何かを忘れてしまってはいないだろうか?
そう、レッドブル・ホンダだ。