“リバースグリッド”の実施をメルセデスが拒否したのは、マックス・フェルスタッペン(レッドブル・ホンダ)の方がルイス・ハミルトン(メルセデス)よりもそれにうまく対応できると考えたためだ。
そう主張したのはレッドブル首脳のヘルムート・マルコだ。
新型コロナウイルスのパンデミックにより当初のカレンダーを大幅に修正せざるを得なくなったF1は、同じサーキットにおいて2週連続でレースが行われる場合、そのうちの1レースでスプリントレース方式予選とリバースグリッドによる決勝スタートという方式を試験的に導入することを提案。これはよりエキサイティングなレースとし、ファンの関心を集めるためだ。
だが、現チャンピオンチームであるメルセデスがこれに反対したことから、その導入は見送られることになった。
「フェルスタッペンの方がハミルトンよりもそれに慣れていると思う。だからメルセデスはそれに反対したんだ」
そう語ったマルコは次のように付け加えた。
「常に前で走るのが彼らの戦略だ。彼らはそうやってレースを支配してきた。後方から戦うのは彼らにとっては新たな領域となっていただろう」
マルコはさらに地元オーストリアの『Osterreich(エステルライヒ)』紙に、今週末と来週末に2週連続でレッドブルリンクでのホームレースを戦うことになるのはフェルスタッペンのタイトル争いに向けてまたとない形だと次のように続けている。
「歴代最年少F1チャンピオンになるチャンスは実際のところかなり大きいよ」
「シュピールベルク(レッドブルリンク所在地)で2レースできることで我々が心理的に優位に立てるかもしれない」
「メルセデスは概してここでは少しばかり苦しんできた。彼らは標高が高いところではターボのコンセプトや全体的なセットアップによりパフォーマンスを失うんだ」
「だが、彼らも前回から多くを学んだはずだと思っている」
とは言え、マルコも通算7回目のF1ドライバーズタイトル獲得を狙うハミルトンが今年もチャンピオン候補ナンバー1だと考えている。
「彼は慣れ親しんだ環境のもとで7回目のタイトルを獲得したいと望んでいる。チーム構成に関して、今シーズン後はメルセデスがこれまでと同じ形を維持しない可能性が高いからね」
そう語ったマルコだが、フェルスタッペンにもチャンスがあるのは確かだと考えている。マルコは、それはハミルトンが最近は人種差別問題などレース以外のことにもエネルギーを使っているためだと示唆し次のように付け加えた。
「彼(フェルスタッペン)はほかの何よりも大きな目標を達成することだけに集中しているからね」