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【レッドブル・ホンダ】アルボン「2連戦は比較するチャンス。どのチームが強いのか結論が出ていないけど予選は拮抗」

2020年07月03日(金)12:11 pm

新型コロナウイルスの影響で7月にずれ込んだ2020年のF1シーズンがいよいよ始まる。開幕戦F1オーストリアGPを前にアレクサンダー・アルボン(レッドブル・ホンダ)は次のように抱負を語った。

●【タイムスケジュール】2020年F1第1戦オーストリアGP

■アレクサンダー・アルボン(レッドブル・ホンダ)

「個人的には、オーストラリアGPの突然の中止は非常に特異なものだったと思う。冬のテストに入って、マシンだけでなく、自分の精神的にもチーム全体としてもレースに臨む準備ができていた。すべてがレースに対して前向きになっていたと思う。

メルボルンでのフリー走行に向けて興奮した気持ちで、ホテルで眠れない夜を過ごし、翌朝の食事中に『帰りの飛行機を予約しました』と言われた。その時には、自分はなんのためにここまで来たのかと思ったよ。

オーストリアでの開幕を待ちわびていた。シーズンの再開が決定し、楽しみだ。ロックダウンのあと、ファクトリーに戻った初日は、休み明けの登校日のような気分だった。長い期間を経て、ようやくレースに復帰できるのはよかったよ。

シーズンが中断されている間、イギリスに戻って最初にしたことは、チームとして状況を確認することだった。パドックで感染が起きていたから、チームは安全第一で自己隔離を行っていた。レースに向けてという意味では、あまりできることはなかったんだ。

長い間家にいることになったけど、自宅にはジムの器具がなかったから、ファクトリーのスタッフに集めてきてもらったよ。トレーニングに必要なものはなんでもそろって、健康面も問題なかったけど、遊びに行くこともできずに毎日を過ごしていたから、集中力が落ち、モチベーションを維持するのは簡単ではなかった。

ホーナー代表から電話やメールで最新の情報を貰っていたけど、チームとしての動きはそのくらいだった。僕たちはアスリートなので、自分たちの仕事として、いつでもレースができるように準備をしていた。7歳の時にレースを始めて以来、こんなに長くレースから離れて過ごしたことはないから、ただただ異常な状況だった。

自宅では感じることのなかった、マシンに乗っているときのスピード感や、コースでラップを完ぺきに走って限界までプッシュする展開が恋しいよ。フィルミングデーでは、「なんて速いんだ!」と改めて思ったよ。復帰できてうれしいね。

なにもないスケジュールから、今まで経験したことがないほど忙しいスケジュールになり、レースに関係する全員にとって、大変な日々になるだろう。レースの雰囲気も違う。レースに欠かせない存在であるファンが会場にいないことも、その原因の一つだ。

毎週のようにレースが続くことは、チーム全員にとって辛いことで、最初の数戦をしっかりとスタートすることが重要だ。オーストラリアは直前で中止になり走ることができなかったから、どのチームもまずは情報を集めることになると思うけど、最初にレースのリズムに乗ったチームが勝てると思う。最初のレースで、可能な限りのエネルギーを持って臨めたチームが、そのあとも強いだろうね。

時間が空いたので、どんなドライバーであってもなにが起こるか分からない。フィルミングデーでドライブすることができて、調子もよかった。またレースができることがうれしいよ。みんなこの日を待っていたんだと思う。長い間が空いてしまったけど、みんなF1が好きだし恋しいんだ。早くレースを始めたいよ。

最初の2戦は同じレッドブル・リンクで開催されるけど、それぞれが別のレースのように扱われ、それぞれにフリー走行日もある。普段のレースと最も異なるのは2戦目になると思う。開幕戦と直接比較する絶好の機会だし、通常の週末のレースではリスクが高くてできないことでも試せると思う。

同じサーキット、同じ気候で、いろいろなことを試すことができるから、どのチームも2戦目の予選ではリスクを顧みずに臨むだろう。うまくいかなければ、開幕戦の仕様に戻せばいいんだからね。

もし初戦でトップになったチームと差が大きければ、そのラップタイムを取り戻すのは難しい。差が出る可能性は高いし、僕たちのようなトップチームはデータを調べなければならないと思う。ドライバーとしての僕たちのフィードバックを最大限に活用し、開幕戦のあとの改善に集中する必要がある。

まだシーズンの途中までのレースしか確定していないけど、どのくらいレースをするのか、どんなサーキットに行くのか、分からないことがあるだけで、僕たちの仕事に変化はないよ。毎週末に最大限の力を発揮することだけが仕事さ。通常の週末と違って準備する時間が短く、シミュレーターができなかったり、同じサーキットで2回レースがあったり、行ったことのないコースでの開催もあると思うけど、これはいい機会だと思う。

柔軟性に富んでいることがいいチームやドライバーの条件だと思うし、マシンとコースをよく理解しているはずだ。そこはチームとしてかなりうまくいっている部分だと思う。このチームは情報を整理して、マシンのスピードを上げることに長けている。きっといい結果になるだろうね。

レースが連続することによって、ドライバーの体力がパフォーマンスに影響することは間違いなくあると思う。最初の2戦は、コーナーが少なくて楽なサーキットだし、長いストレートの合間には息抜きの時間も多いので、それほどではないと思う。ハンガリー戦以降は、状況は変わると思う。それまでには、レースを重ねているから、スムーズにできるようになっている部分もあるはずさ。ただ、レースは3週間連続しているから、休みはほとんどないだろうね。ハンガリーは体力が要るコースなので、影響が出るかもしれない。

どのチームが強いのかバルセロナの冬のテストでは、結論が出ていなかった。この4カ月の休止期間があったことを考慮すると、余計に分からない。新型コロナウイルスの影響でファクトリーの閉鎖があったので、チームにはそれほど時間がなかったと思う。

レッドブル・リンクは、コーナー数が少なく、マシンの性能を最大限に活用して差をつけることは難しいので、予選は拮抗すると思うよ。過去2年間のマックス(フェルスタッペン)の結果のように、レースではなにが起きるか分からない。

タイヤを温存できるし、気温が高いのも普段通りなので、特別なことはないと思っている。冬のテストではマシンの感触もよかったし、フィルミングデーでもすべてがいい状態になっていると思ったから、あとは走って確認するだけだよ。

レース再開にあたっての新型コロナウイルスの対策については、非常によく準備されているようだ。かなり複雑になりそうだけど、ファクトリーのスタッフは皆、すでに適応できているよ。僕はファクトリーにいたけど、チームの努力には目を見張るものがある。このことは、安全につながるよ。僕たちは一緒にたくさんの国を回るし、外部との接触を可能な限り避けた、小さな『バブル』の中にいることになる。僕たちは、常にすべてのことに気を配らなければいけないんだ」

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