新型コロナウイルスの影響で7月にずれ込んだ2020年のF1シーズンがいよいよ始まる。開幕戦F1オーストリアGPを前にダニール・クビアト(アルファタウリ・ホンダ)は次のように抱負を語った。
●【タイムスケジュール】2020年F1第1戦オーストリアGP
■ダニール・クビアト(アルファタウリ・ホンダ)
「メルボルンでのレースが中止になり、できるだけ早く帰国し、大変な時期を家で過ごしたいと思った。帰るとすぐにロックダウンが始まったので、モナコの自宅で自主隔離生活を送ったんだ。なにもせずにただ座っているのではなく、スポーツなど、なにかできることをやろうとした。ある面ではそれほど悪い状況ではなかっただろうね。実際、いつもよりも少し多く眠ることができたから。しかし、しばらくすると日々は単調なものになった。F1から離れていた1年間を除き、最も長い期間、実際のレーシングカーをドライブしていないよ。
5月初旬にカートコースが再開すると、すぐに向かった。うれしくてたくさん運転したよ。ドライビングやレースの感覚を確認するのに役立ったし、楽しかった。
ロックダウン中もエンジニアのマッティア(スピニ)とは連絡を取り合っていた。実は家に小さなシミュレーターがあり、彼とは何度か一緒に予選のシミュレーションをしたんだ。iPadで彼と繋がって予選のセッションを行ったんだけど、実際のサーキットを走っているかのように話しかけてくれた。それが僕たちにできる最善の方法だった。他のF1ドライバーの多くもシミュレーションレースをやっていたのを知っているよ。ただ、実際のマシンを運転しているようには感じられず、正直なところ僕には向いていなかった。移動制限があるためイギリスへ行ってチームのシミュレーターを使うことができていないけど、2~3週後には状況は改善していると願っているよ。
実際のレースや今シーズンの展開については、レースごとに判断していくことになるだろうね。大会の運営側が安全だと判断した場所でレースをしていくよ。大会の管理状況や運営カレンダーを信頼しているし、不測の事態が起こらないことを願っている。
コース上でのマスクの着用について、先日のフィルミングデーでも同じような状況で作業を行ったけど、ヘイローが導入されたときのようにすぐに慣れると思う。あとは無観客レースにも慣れる必要があるね。無人の観客席は奇妙に感じるだろう。どんなスポーツでも観衆は大事だからね。
この状況をどう乗り切るかについてはなんともいえない。トラックデータは、冬のバルセロナのものしかない。オーストリアのレッドブル・リンクに向けてしっかりと計画を立てて臨むことになるだろう。
レッドブル・リンクは好きなサーキットだ。高速コーナーが多い伝統的なレイアウトで、ここでのレースは楽しいよ。ダブルヘッダーなので、長い間サーキットにいることになるだろうね。田園地帯の素敵な場所で、新鮮な空気の中でトレーニングをすることができるよ」