セバスチャン・ベッテルとフェルナンド・アロンソが2021年にアストンマーティンと名前が変わるレーシングポイントのシート獲得を目指しているとのうわさがささやかれている。
レーシングポイントのオーナーであるローレンス・ストロールがイギリスの高級自動車メーカーであるアストンマーティンを買収したことで、2021年にはレーシングポイントがアストンマーティンのF1ワークスチームとして生まれ変わることになっている。
イタリアの『La Gazzetta dello Sport(ガゼッタ・デロ・スポルト)』によれば、ルノーのシート獲得に動いているのではないかとうわさされているアロンソ、さらには今季限りでフェラーリを離脱するベッテルが、2021年にそのアストンマーティンのコックピットに収まる可能性があるとささやかれるようになっているようだ。
2021年に3強チームのシートを獲得できるチャンスはほぼないと考えられているアロンソとベッテルだが、メルセデスとの太いパイプを持ち、2020年に向けては“ピンクのメルセデス”と呼ばれるマシンを準備したレーシングポイントが彼らにとって次善の選択肢となる可能性はありそうだ。
しかし、イギリスのシルバーストンにファクトリーを構えるレーシングポイントのドライバーはストロールの息子であるランスとセルジオ・ペレスであり、どちらもすでに2021年の契約を交わしている。
レーシングポイントは2020年に向けてメルセデスとの強力な技術提携契約のもと、現在のルールが許す範囲で最大限最強チームであるメルセデスF1マシンに近いクルマを造り上げてきている。
アロンソと同じスペイン出身ドライバーであるペドロ・デ・ラ・ロサは、その判断は評価に値すると考えているようだ。
「彼らはレギュレーションを調べてこう言ったんだ。『これで自分たちに何ができるかを調べよう』とね。そしてお目見えしたのがピンクのメルセデスだったんだ」
母国スペインの『Marca(マルカ)』にそう語ったデ・ラ・ロサは次のように続けている。
「ほかのチームもそうすることはできたんだ。(メルセデスから)同じ契約がほかのチームにもオファーされていたのは知っているけれど、彼らはそれを断ったんだ。彼らは、それでは最高でも2番手にしかなれないと考えたからね」
「だけど、2番手というのは現時点でF1の多くの人たちが望んでいるものだと思うけれどね」
実際、2月にバルセロナで行われたプレシーズンテストでは“ピンクのメルセデス”が非常にいいパフォーマンスを示していた。アロンソやベッテルが自分であればあのクルマでトップ争いも可能だと考えても不思議ではないかもしれない。