ルノーのシリル・アビテブールは、2020年はすべてのF1レースを無観客のもとで行う覚悟もしておくべきだと考えている。
新型コロナウイルスのパンデミックによりレースを開催することができない状態が続いていたF1だが、ついに来週オーストリアのレッドブルリンクで開幕を迎えることになる。
だが、現時点で明らかにされているヨーロッパでの8レースはすべて無観客で行われることになっている。
マネジングディレクターとしてルノーのF1プログラムを率いるアビテブールは次のように語った。
「我々は閉ざされたシーズンに向けて準備を行っている。もちろん、この状況に対応するためのいくつかの財政的シナリオとともにね。だが、この夏に行われるレースで非常に少ない人数でもファンを迎えられることが可能となるよう期待しているところだ」
「私には予想はできないが、パンデミックの進展状況に目をやればヨーロッパでは収束に向かいつつあるように見える」
「しかし、プロモーターたちがリスクをとって満席の状態でレースを行うことができるようになるまでには今シーズンを終えて一冬を越すまで待つ必要があるんじゃないかな」
「それは、今一番重要なことはスポーツを守り、F1を守ることだからだ。来年までには通常の状況に戻ると考えられるようにしなくてはならないんだ」
そう語ったアビテブールだが、管理された環境のもとで無観客レースが開催されるとしても、厳格なルールや現場でのウイルス検査はかなり大変な重荷になるだろうと考えている。
「ファンがおらず、スポンサーもおらず、メディアもいないとしても、我々は小さな組織ではない。我々は大勢の人々による集合体なんだ」
「だから、その背後には非常に厳密な対策や極端なルールを備えておく必要がある。予選を前にソーシャルディスタンスを設けながらクルマの準備をすることを考えてみても、それはものすごく大変だよ」
そう語ったアビテブールは次のように付け加えた。
「しかし、幸いなことに我々は非常にうまく話し合ってきたし、それによってレースをすることが許されるんだ」