新型コロナウイルスのパンデミックによりレースを開催することができない状態となっていた2020年のF1だが、いよいよ来週のオーストリアGPを皮切りにシーズンがスタートする予定となっている。
現時点では、オーストリアでまず2週連続で2レースが開催され、その次の週にハンガリーGPが、そして1週おいて今度はイギリスのシルバーストン・サーキットでも2レースが開催され、その後スペイン、ベルギー、イタリアへとバトンが渡されていくことになっている。
だが、最近のうわさによれば、モンツァで開催されるイタリアGP(9月6日決勝)を皮切りに、ムジェロ、イモラとイタリア国内において3週連続でレースが行われることになる可能性もあると考えられている。
イタリアの『La Gazzetta dello Sport(ガゼッタ・デロ・スポルト)』は、ムジェロでの無観客レースはサーキットオーナーであるフェラーリが主催者となるだろうとし、次のように続けている。
「観客なしでのレース開催費用はおよそ500万ユーロだ。リバティ・メディア(F1オーナー)はそれをテレビ放映による売り上げで相殺することになるだろう」
うわさでは、ムジェロでのF1開催はほぼ確定的だと言われている。だが、イモラに関しては、ピットロード入り口の安全性などに懸念があるとされており、実現するかどうかはまだ不透明のようだ。
しかし、そのイモラで今週宣伝用の撮影を目的とした“フィルミングデー”活動としてアルファタウリ・ホンダF1マシンでの走行を行ったダニール・クビアト(アルファタウリ・ホンダ)は「イモラは間違いなくカレンダーに載る資格があるよ」と語っている。
イモラ・サーキットの代表を務めるウベルト・セルバティコ・エステンセは、もしもモンツァ、ムジェロ、イモラでの3連戦が実現すれば世界から大きな注目を集めることになるだろうと次のように前向きなコメントを行っている。
「世界中のF1ファンにとって最も合理的かつ最適な解決策は、大きなインパクトのあるサーキットを使うことだろう」
「モンツァとムジェロとともにイモラで開催できれば、伝説的な3連戦になるだろうと思うよ」
一方、それ以外にも開催がうわさされているヨーロッパのサーキットもある。ポルトガルのポルチマオにあるアルガルヴェ・サーキットもそのひとつだ。
伝えられるところによれば、アルガルヴェでは10月4日(日)に決勝を開催することを目指しており、やはり2戦連続開催も可能だとしているようだ。
ヨーロッパ以外のレースに関しては、すでにシンガポールと日本GPの中止は確定している。
シーズン終盤に予定されているメキシコとブラジルは新型コロナウイルスの状況によって開催は難しいだろうと考えられているが、アメリカやカナダ、さらに中国、バーレーン、アブダビでのレースは開催可能だと見られている。
本来は6月に開催が予定されていたモントリオールでのカナダGPだが、現在は10月中の開催を目指してリバティ・メディアと交渉を行っているようだ。
カナダGP主催責任者のフランソワ・デュモンティエは、リバティ・メディアの一員であり、F1最高責任者を務めるチェイス・キャリーは今年のF1を世界選手権にふさわしいものにするためにヨーロッパ以外でのレース開催を強く望んでいると語り、次のように付け加えた。
「彼は一時期15から18レースをしたいと言っていた。それは少しばかり楽観的過ぎるかもしれない。12から14レースであれば可能だろうと私は思っているよ」
今季のF1第1戦オーストリアGP(7月5日決勝)は来週の金曜日(3日)に開幕を迎えるが、早ければそれまでに新たな修正版2020年F1カレンダーが追加発表される可能性もあるようだ。