いよいよ2020年のF1シーズンが来週オーストリアのレッドブルリンクで開幕を迎えることになる。
F1チームの中にはそれに向けてテスト走行を行うところも増えている。
メルセデス、ルノー、レーシングポイント、そしてフェラーリはすでに2年落ちのF1マシンでテストを行っている。
そして、アルファタウリ・ホンダは宣伝用の撮影を目的とする“フィルミングデー”の制度を利用して25日(木)にイギリスのシルバーストン・サーキットで2020年型マシンを走行させる予定にしており、伝えられるところによればレッドブルのドライバーたちもそのマシンで走行することになるようだ。
23日(火)にフェラーリが所有するイタリアのムジェロ・サーキットにおいて2018年型F1マシンでのテスト走行を行ったセバスチャン・ベッテルは次のように語っている。
「またクルマの感触を得られたのはうれしかった。しかもこういう見事なサーキットでね。ムジェロは本当にグランプリを開催するにふさわしいと僕は思うよ」
うわさによれば、モンツァ・サーキットで開催されるイタリアGP(9月6日決勝)の翌週にムジェロでもF1が開催される可能性があると言われている。
一方、事前にテスト走行を行わず、ぶっつけ本番で2020年F1開幕戦に臨むチームもある。
そのひとつはアメリカンチームであるハースだ。
「我々のドライバーたちには多くのテストが必要だとは思っていないよ」
イタリアの『Corriere dello Sport(コリエーレ・デロ・スポルト)』にそう語ったハースのチーム代表ギュンター・シュタイナーは次のように付け加えた。
「もちろん、彼らにはその方がいいだろうが、現時点では我々にとってそれは優先事項ではないんだ」
ハースが優先すべき事項は財政問題と考えて間違いないだろう。
実際のところ、新型コロナウイルス問題によって財政的に苦しい状況に追い込まれているウィリアムズ、マクラーレン、そしてアルファロメオもオーストリアGPに向けてテストを行う計画はないようだ。
「多分、テストをやったチームはわずかながら有利になるだろう。私もそれは否定しないよ」
そう語ったシュタイナーは次のように続けた。
「だが、非常に大きな差になることはないよ」
「我々はファクトリーにおいて新たなソーシャルディスタンスのルールを適用しているし、その点に関しては準備OKだ」
「プライベートテストを行うだけの財源があれば、普通ならテストを行うだろう。だが、私は落ち着いているよ。我々もできる限りの準備は行っているし、オーストリアでもベストを尽くすことができると確信している」