メルセデスのバルテリ・ボッタスが、7月に2020年シーズンが開幕したとき、自分たちのF1マシンには『DAS』が備えられているはずだと示唆した。
ボッタスが言及した『DAS』とは“Duel-Axis Steering”の頭文字をとったものとされており、簡単に言えばドライバーがステアリングを前後に動かすことでフロントタイヤのトー角を変化させることができる革新的なシステムのことだ。
メルセデスは2月にスペインのバルセロナで行われたプレシーズンテストでこのDASのテストを行ったが、すぐにライバルチームから違法ではないのかとの声があがることになった。
このシステムを調査したF1統括団体のFIA(F1統括団体の国際自動車連盟)は、現在のルール上は違法ではないと認めたものの、ルールを修正することで2021年以降は同様のシステムを使用することが禁止されることになっている。
しかし、ライバルチームたちの中にはそれに納得できず、もしメルセデスがDASをレースで使用した場合には正式に異議申し立てを行うと警鐘を鳴らしているところもある。
こうしたことを受け、メルセデスではこのDASを本当に今年のレースで使うかどうかは分からないとしていた。
だが、ボッタスは7月にオーストリアのレッドブルリンクで開催される今年最初のレースにはDASが投入されることになると示唆し、次のように語った。
「すごくいい装備なんだ。運転はすごく安全だし、僕たちは100パーセント満足しているよ」
「それに関しては合法か非合法かという議論があるけれど、僕たちは合法だと考えている。もちろん、レースではまだそれを使ったことはないけれど、それがどれだけの効果を示すのかを確かめるのが楽しみだよ」