キミ・ライコネン(アルファロメオ)が、2020年が最後のF1シーズンになる可能性もあると示唆した。
現在40歳のライコネンはもちろん現役F1ドライバーの中では最年長であり、これまでにF1で通算315戦を戦った最も経験豊かなドライバーだ。
アルゼンチンのニュースサイトである『Infobae(インフォバエ)』から今年限りでF1を引退する可能性について質問されたライコネンは次のように答えた。
「すでに言ったけれど、今シーズンを戦って、それから決めるつもりだよ」
「今年もレースを楽しむことができれば続けるだろう。そうでなければ、引退するだろうね」
2001年にザウバーでF1デビューを飾ったライコネンは、2002年から2006年まではマクラーレン、2007年から2009年まではフェラーリでドライバーを務め、2007年にはF1チャンピオンにも輝いている。
2010年と2011年はいったんF1から離れてラリーやNASCARなどに挑戦していたライコネンだが、2012年にロータスでF1復帰を果たすと2014年には再びフェラーリへ移籍。友人でもあるセバスチャン・ベッテルのチームメートとして2018年まで赤い跳ね馬のステアリングを握ったが、2019年はフェラーリがシャルル・ルクレール起用を決めたことからアルファロメオへと移籍していた。
現時点でのF1最多出走記録はブラジル出身のルーベンス・バリチェロが持つ322戦だ。新型コロナウイルスによりシーズン開幕が遅れてしまったF1だが、現在の計画では今季7月以降ヨーロッパだけで8レースが行われることになっており、そのすべてにライコネンが出走すればバリチェロの記録を抜くことになる。
しかし、そのことについて尋ねられたライコネンは次のように答えた。
「そのことは本当に気にしていないよ。それをうれしいとは思わないだろうね。自分が戦ったレースの数よりももっと記憶に残ることがほかにたくさんあると思うよ」
さらに、自分がF1ルールを決定することができる立場にあったとしたら何を変えたいと思うかと尋ねられたライコネンはまさに“アイスマン”らしく次のように答えている。
「ルールを変えるのは僕たちではないし、そんなことは本当にどうでもいいんだ」
「結局のところ、僕たちのために造られたクルマを走らせるだけだし、僕たちはそれに適応し、可能な限り速く走ろうとするだけだよ」
最後に、もしF1引退を決めたとしても自分はそれを後悔することはないだろうとライコネンは次のように付け加えている。
「(F1を)恋しいとは思わないだろうね。仲間もいるし、彼らとは連絡を取り合うことになると思う。でも、それだけさ。僕はもう何年もそこで過ごしたし、引退することを選択したときにはほかにやるべきことをたくさん見つけられるはずだからね」