フェラーリのチーム代表を務めるマッティア・ビノットが、今季限りでチームを去るセバスチャン・ベッテルが2021年にメルセデスに移籍できることを期待していると語った。
今年でフェラーリとの現在の契約が満期を迎えるベッテルだが、これまでに報じられたところによれば、フェラーリはベッテルに対し大幅に報酬を減額した上で2021年だけの単年契約を提示していたようだ。
フェラーリでは昨年すでにシャルル・ルクレールとの契約は2024年まで延長しており、外部から見ればフェラーリは今後ルクレールをナンバー1ドライバーとして処遇していく方針であるのは間違いないように思える。
ベッテルがフェラーリとの契約延長を断念したのは、そうした背景があったためだと考えられている。
だが、スペインの『Marca(マルカ)』からこの件に関する質問を受けたビノットは次のように答えた。
「オファーの内容とか契約期間の問題ではなかったんだ」
「フェラーリはいろんな理由により間違いなくセバスチャンを愛している。ドライバーとしても人物としてもね。セブ(ベッテルの愛称)が我々の第一候補だったんだ。しかしその後コロナ危機が発生してしまい、いろんなことが変わってしまったよ」
「レギュレーションや予算上限などによって新車も2022年まで延期することになるなど、さまざまなことで我々の状況に関する展望に変化が生じてしまったんだ」
ビノットはさらにイタリアの『La Stampa(スタンパ)』にも次のように語っている。
「セブとは正直に話をすることにした。彼も自分の将来を考える必要があったし、我々も決断を先延ばしにすることはできなかったからね」
「彼がメルセデスに行くかもしれないといううわさは耳にしているよ。そうなれば私もすごくうれしいよ」
「我々にとってはいろんな変化が起きたし、タイミングという意味で我々の展望と彼の展望が一致しなかったんだ」
ベッテルに関しては、もしもメルセデス移籍が実現できなければこのままF1から引退する可能性も高いのではないかと考えられている。
そうなればF1にとっては「大きな損失」となるだろうと語ったビノットだが、2020年シーズンに関してはフェラーリドライバーとして残りのレースにも全力を尽くしてくれるはずだと次のように付け加えた。
「セブは素晴らしい人物であり、責任感を持った素晴らしいプロフェッショナルだ。彼はフェラーリ最後の年にチームにとって最高の結果を残していい位置で終えたいと思っているはずだよ」