今年35年ぶりにF1オランダGPを復活開催する予定だったザントフォールト・サーキットの責任者が、もう今年中にレースを行うことは難しいだろうと認めた。
オリジナルの2020年F1カレンダーでは第5戦として5月3日に決勝が予定されていたオランダGPだが、すでに延期が確定している。
しかし、新型コロナウイルスによる深刻な影響を受けているオランダでは21日(火)に大規模スポーツイベントの開催禁止を9月まで延長することが発表されたことで、オランダGPが今年開催できる可能性はほぼ消滅してしまったと考えられている。
オランダGPのスポークスマンを務める元F1ドライバーのヤン・ラマースは、オランダ政府による今回の決定を受け、『De Telegraaf(テレグラーフ)』に次のように語った。
「我々にどのような可能性が残されているかを調べる必要がある。だが、現時点においては今年のレース開催が可能だとは思えない」
「それが現実だ。少なくとも明白な事実はあるし、専門家たちによる分析のレベルには敬意を払っているよ」
「だが、F1の経営陣とFIA(国際自動車連盟)は今年のカレンダーを調整するというほとんど不可能な仕事に直面している」
オランダ出身ドライバーであるマックス・フェルスタッペン(レッドブル・ホンダ)の活躍もあり、今年のオランダGPのチケットはかなり早い段階で完売していた。それだけに、このままレースが行えないとなれば主催者にとって大打撃となるのは間違いない。
しかし、ラマースはザントフォールトとしては無観客でレースを行うわけにはいかないと次のように続けている。
「我々にとってそれは不可能だし、あいまいな計画を発表したいとは思わない」
「我々は自分たちが計画し、実現する準備が整っていた形でイベントを実施したいと思っている。だが、ウイルスがそれを制限している。シンガポールもすべてにうまく対処できたと考えていたものの、今では制限を緩めたことを後悔しているよ」
そう語ったラマースは、『Formule 1(フォーミュレ1)』にも現在の状況に関して次のように語っている。
「もちろん、残念さ。我々は再び一歩後退しているよ。こうした状況を迎えている主催者は我々だけではないがね」