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セバスチャン・ベッテル「無観客レースには反対」

2020年04月20日(月)18:18 pm

フェラーリのセバスチャン・ベッテルが、F1は早期に無観客レース開催に踏み切るより、もうしばらく新型コロナウイルスの状況に関して様子を見るほうがよいとの考えを示した。

COVID-19と命名された新型コロナウイルスの感染拡大により、2020年のF1はここまで1レースも開催することができない状況が続いている。

いまだにウイルスが終息を迎える兆しは見えないものの、F1ではなんとか7月からレース開催を実現したいと考えており、伝えられるところによれば1週末に同じサーキットで2レースもしくは3レースを行うといったプランも検討されているようだ。

実際のところ、オーストリアのレッドブルリンクやイギリスのシルバーストン・サーキットの関係者は、複数レース開催にも対応できると示唆している。

だが、現時点においては、もしその計画が実行に移されたとしても無観客レースとなる可能性が極めて高くなっている。

レース関係者の中にはこうした無観客レースのことを“ゴーストレース”と呼ぶ者もいるが、ベッテルはそういう形でレースをしたいとは思っていないようだ。

「僕は好きではないよ。ゴーストレースは僕たち現場にいる者だけでなくテレビを見ている人たちにとっても味気なくて奇妙なものになると思う」

母国ドイツの『Auto Motor und Sport(アウト・モートア・ウント・シュポルト)』にそう語ったベッテルは次のように付け加えた。

「それを見る人たちは間違いなくいるだろうけど、同じものにはならないだろうね」

しかし、レースが開催されなければF1チームは収入を得ることができず、このままの状況が続けば存続すら危ぶまれるチームがいくつも出てくることになる。

こうしたことから、F1としてもなんとかレースを行い、少なくともテレビ放映権料やスポンサー料を得ていく必要があるという切羽詰まった事情があるのも事実だ。

レッドブル首脳のひとりであるヘルムート・マルコも、レースを開催することが何よりも重要だと母国オーストリアのテレビ局『ORF』に次のように語っている。

「もし今シーズンのレースが行われなければ、6つの小規模チームは収入を得られないだろう。そうなれば多くのチームが財政的に成り立たなくなると私は思っている」

こうした状況に関し、ベッテルは次のように続けた。

「もちろん、それは天秤にかけなくてはならない」

「ひとつには、F1が生き残り、チームが存在し続けるための財政的問題がある」

「その一方で、このスポーツの質とイメージにも注意を払う必要もある。僕はゴーストレースをやるのではなくもっと待つべきだと思うよ」

「確かにそれならば早めにレースを始められるだろう。だけど、僕は一番の薬は忍耐強くあることだと思うんだ。たとえそれが苦痛だとしてもね」

そう語ったベッテルだが、今の状況は自分たちのライフスタイルを見直すいいチャンスでもあると考えているようだ。

「今はすごく苦しい時期だ。だけど、素晴らしいチャンスでもあるよ」

「リセットするようなものさ。僕たちやこの世界にとって何が本当に大切なのか、何が本当に重要なのかを見つけることができるんだ」

そう語った32歳のベッテルは次のように付け加えた。

「僕たちはまた小さなことをありがたく思えるようになっているし、今後もそうあり続けられるといいね」

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