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「このままではF1は重大な局面を迎えてしまう」とアルファタウリのボス

2020年04月08日(水)19:10 pm

アルファタウリのチーム代表を務めるフランツ・トストは、現在の状況が7月以降も続くようであればF1は「非常に危機的」な状況に陥るだろうと考えている。

新型コロナウイルスが世界中を恐怖に陥れている中、F1もここまで1レースも開催することができず、いまだにトンネルの出口が見えてこない状態となっている。

想定されていたことではあるが、今季の第9戦として予定されていたF1カナダGPも延期されることが正式に確定。そして、今後いつ本当にレースが開催できるのか、その見通しは全く立っていない状況が続いている。

レースが開催されないことで収入がほとんどなくなっているF1チームにとっては死活問題であり、すでにマクラーレンやウィリアムズなどは従業員を一時解雇するなど、非常に厳しい状況を迎えている。

「もし7月に競技が開始されれば、我々は目にあざを作った程度で済むだろう」

『motorsport-total.com』にそう語ったトストは次のように付け加えた。

「もしそれまでにスタートできなければ、重大な局面を迎えることになるよ」

世界的エナジー飲料メーカーであるレッドブルがオーナーとなっているアルファタウリだが、現時点でのコスト分析によれば、もっても6月までだという結果が出たという。

「1レースを戦わない場合、そのコストは150万から200万(約1億6000万円から2億2000万円)になってしまう」

「もしも1年を通じてレースがなければ非常に危機的な状況になってしまう。収入がなければ、財政的には大惨事だからね」

世界最高峰の二輪選手権であるMotoGPの最高責任者として知られるカルメロ・エスペレータは、レースが行われなくてもチームには毎月支払いを続けていくつもりだとしている。

だが、MotoGPとは比較にならないほどの大金が動くF1では同じようなことは難しいようだ。

ハースF1のチーム代表を務めるギュンター・シュタイナーも次のように語っている。

「もしF1世界選手権が行われなければ、生き残るのが難しくなるチームがたくさん出るだろう」

こうした状況への対応策のひとつとして、F1チーム、F1オーナーのリバティ・メディア、そしてFIA(国際自動車連盟)の首脳たちがテレビ会議で2021年に導入予定のバジェットキャップ(チーム予算上限値)を大きく引き下げることを話し合ったことが明らかとなっている。

だが、F1ではよくあることだが、今回の会議も意見が分かれ、合意には至らなかったと伝えられている。

「問題に対しては常に前向きに取り組むべきだと私は考えている。問題は新たなチャンスを生むものでもあるしね」

そう語ったシュタイナーは次のように付け加えた。

「もし我々が、10チーム全てがひとつにまとまって取り組めば、よりよい形でこの状況を乗り切ることができるかもしれない。このスポーツにとっても、そしてみんなにとってもね」

トストもシュタイナー同様、どうすればチームが生き残っていけるのかを話し合う必要があると次のように続けた。

「どのレースが行えるのか、どれほどの収入が得られるのか、スポンサーは留まるのか、あるいは姿を消してしまうのか、あらゆる経済的状況がどのようになるのか、我々は様子を見て行く必要がある」

「我々は、経済的にどういう状況となるのかを見極める必要があるという現実に直面することになる。そして我々は腰を落ち着けて話し合い、『これが今我々が直面している課題だし、今ある金はこれだけで、もうそれしか残っていない』と言わなくてはならないんだ」

「我々に出発点を提供できるのはリバティ・メディアだけだ。彼らはスポンサー、テレビ放映権者、レース主催者たちから金を集める責任があるし、それを我々に分配することになっている」

トストはそう語ると、次のように付け加えた。

「もし彼ら(リバティ・メディア)が何も分配できなければ、我々にも払える金はないということだ。もう成り行きを見守るしかないよ」

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