カナダ出身の元レーシングドライバーであるパトリック・カルパンティエは、モントリオールのジル・ビルヌーブ・サーキットで6月14日に決勝開催が予定されている今年のF1第9戦カナダGPを実施するのは基本的に「不可能」だと考えている。
F1カナダGPのプロモーターであるフランソワ・デュモンティエは、レースが実施できる見込みは現時点では50パーセントだと語っている。
だが、かつてCARTやインディカー、NASCARなどで活躍した48歳のカルパンティエは地元ケベックの『La Presse(プレス)』に次のように語った。
「F1ではフェラーリが重要な役割を担っている。だから、マクラーレンがコロナウイルスに感染したことで彼ら(F1)がメルボルン(F1開幕戦オーストラリアGP)をキャンセルしたということは、彼らがモントリオールに来ることはないだろう。なぜなら、フェラーリが来られるはずはないからね」
「現在毎日1000人近くの人が亡くなっているのに、フェラーリがレースをしにいくとなればものすごく世間のひんしゅくを買うことになるだろう」
現在イタリアが置かれている厳しい状況に言及してそう語ったカルパンティエは次のように付け加えた。
「フランソワ(デュモンティエ)のためには実現できればいいと思っているけれど、僕から見ればそれは不可能だよ。彼は(開催可能性は)50%だと言っているけれど、僕は10%だと思っている」
2020年のF1はすでに開幕戦から第8戦までの延期もしくは中止が決まっているが、第9戦カナダGP以降のレースの開催可否については現時点ではまだ公式な発表は行われていない。
だが、6月29日から7月12日にかけて開催されるはずだったテニスのウインブルドン選手権も中止が発表されるなどの動きが出ている中、F1もまだ当面開催するのは難しいだろうという見方が強くなってきているのは事実だ。