スペイン人ドライバーのカルロス・サインツが、F1は自らの経営とそこで働く人々を守るための具体的な計画を進める必要があると主張した。
このサインツは現在マクラーレンに所属しているF1ドライバーの方ではなく、かつてWRC(世界ラリー選手権)で2度チャンピオンに輝いた実績を持つ父親の方だ。
サインツは、F1においてもスペインなどで実施されているERTE(Expediente Temporal de Regulacion de Empleo)と呼ばれる“一時的雇用規制”のスキーム導入が急務だと考えている。
これは、簡単に言えば、今回のcovid-19パンデミックのような状況が発生し通常の経済活動を行うことができなくなった場合に、企業側には従業員への賃金支払いを免除するとともに、労働者に対しては一定の補償を行いつつ、もしも状況が通常の状態に戻ったときには元の職場への復帰を保証するというものだ。そして、ヨーロッパのプロサッカーチームなどはすでにこのERTEを適用していると伝えられている。
現在もダカールラリーなどに参戦する現役ドライバーである57歳のサインツは母国スペインの『Cadena SER(カデナSER)』に次のように語った。
「私はF1においてもERTEの導入が急務となると思っている」
「明日にもそのニュースを耳にすることになると思うよ。F1では多くの人たちが働いているが、もしレースが行われなければ収入はないんだ」
「2億から2億5000万ユーロの予算でやっているチームはものすごく大きな損失を抱えることになるだろう。彼らもただ傍観しているわけにはいかないから、何かが変わるだろうと思うよ」
「今起きていることを念頭に置いても、私は世界選手権が行われることになると考えたいんだ。このままずっと停止状態に置かれることはないだろうし、医師や研究者たちがこの問題の解決策を見つけるだろう」
「今後3週間か1か月のうちには再び普通の生活に戻ることができればと期待しているよ」
そう語ったサインツだが、心配なのはイギリスだと次のように付け加えている。
「F1の世界はイギリスで起きていることの影響を大きく受けるんだ。だが、彼らは我々(スペイン)よりも遅れているし強硬手段も実施していない」