カナダ出身元F1ドライバーのジャック・ビルヌーブが、第9戦として予定されているF1カナダGP(6月14日決勝)も開催できるとは思えないと認めた。
1997年のF1チャンピオンであり、現在はイタリアとフランスのテレビ局でF1解説者を務める48歳のビルヌーブは現在イタリアのミラノ郊外に住んでいる。この地域が現在新型コロナウイルスによる重大な被害を受けていることは報じられている通りだ。
「僕たちは家から出てはいけないことになっているし、その指示に従っているよ」
母国カナダの『Le Journal de Montreal(ジュルナル・ド・モントレアル)』にそう語ったビルヌーブは次のように続けた。
「ここでは何千人もの感染者がいるし、いつこれが終わるかも分からない状態なんだ。そして、今ここで僕たちが経験していることを、あらゆるところが経験しつつある。スペインもそうだし、とりわけフランスはそうだ」
「次は、かなりの確率でアメリカだろうね。僕はみんなを怖がらせようとしているわけではないよ。だが、もしこの状況が続くようであれば、状況はさらに悪くなるだろう」
実際のところ、アメリカでも感染者が急増しており、毎年5月の戦没者追悼記念日前日に決勝レースが行われている有名なインディアナポリス500マイルレースも今年は8月23日(日)に延期されることが確定している。
すでに開幕戦から第8戦までが延期もしくは中止となっている2020年のF1だが、第9戦カナダGPも延期される可能性が高くなっているのは間違いないようだ。
しかし、ビルヌーブはもし今年のF1がカナダで開幕を迎えることになれば、それは開催地であるモントリオールにとってはいいことだと次のように語っている。
「そうなればモントリオールにとってはいいことだよ。このグランプリはモントリオールに夏が来たことを示すものだし、毎年開催が待ち焦がれられている素晴らしいイベントだからね」
しかし、ビルヌーブもカナダGPが予定通り開催される可能性は小さいと考えているようだ。
「6月14日に開催できるとは僕にはほとんど思えないよ」
そう語ったビルヌーブは次のように付け加えた。
「だが、いいニュースは、サーキットの準備作業は遅らせることも可能だということだ。あそこ(ジル・ビルヌーブ・サーキット)の準備はバクー(アゼルバイジャン)やモナコほど複雑ではないからね」