マクラーレンF1チームに新型コロナウイルスのさらなる波紋
新型コロナウイルスがF1チームにも大きな影響を及ぼしているが、中でもマクラーレンはまた新たな課題を抱えることになりそうだ。
今季のF1開幕戦オーストラリアGPは開幕当日になって急遽キャンセルという決断がくだされたが、このきっかけのひとつとなったのはマクラーレンのチームメンバーが新型コロナウイルスに感染したことが確認されたことだった。
その後F1は現時点において第7戦モナコGPまでが延期もしくは中止となることが確定している。
こうした状況を受け、F1は2021年に予定されていた新レギュレーション導入を2022年に遅らせることを決定。2021年シーズンには原則として2020年のレギュレーションが延長運用されることになる。
これは、レース開催数が少なくなることで収入源となってしまうF1チームにとって2021年までに新レギュレーションに沿った新たなF1マシンを開発製造することが困難になるためだ。
この結果、F1チームは2021年には2020年型F1マシンで戦うことになるわけだ。
だが、これによってまた頭を抱えることになりそうなのがマクラーレンだ。
なぜなら、マクラーレンは2021年には現在のルノーに替えてメルセデスからF1エンジンの供給を受けることがすでに決定しているからだ。
F1公式サイトに寄稿するジャーナリストのローレンス・バレットは次のように指摘している。
「各メーカーのパワーユニット（F1エンジン）は非常に異なる構造様式となっている。だから、ルノーエンジンから単純にメルセデスエンジンに載せ替えられるというものではない」
「彼ら（マクラーレン）の2020年型マシンにそれ（メルセデスエンジン）を載せることにすれば、新たなコストが発生することになりそうだ」
マクラーレンが予定通りメルセデスエンジンを載せられるように2020年型車の改造に着手するのか、あるいはメルセデスエンジンへの移行を1年遅らせることができるようルノーとメルセデスと交渉することになるのか、今後の動向に注目が集まることになりそうだ。
一方、そのマクラーレンには明るい話題もある。
マクラーレンは、オーストラリアGPが開催される予定だったメルボルンで新型コロナウイルス感染が認められていたマクラーレンのチームメンバーは現時点では「症状が認められない」状態にあると発表し、次のように付け加えている。
「メルボルンで隔離状態に置かれてコロナウイルスの検査を受けていた7人のメンバーは全員が陰性との結果が出た」
