F1界の頭上にも暗雲をたなびかせている新型コロナウイルス問題だが、とりわけ、レーシングポイントのドライバーを務めるメキシコ出身のセルジオ・ペレスの落胆は大きいようだ。
レーシングポイントは2020年シーズンに向けて昨年のメルセデスを徹底的に模した新車を用意している。
2月にバルセロナで行われたプレシーズンテストではそのマシンがライバルたちから「ピンクのメルセデス」だと嫌みを言われるほどのパフォーマンスを発揮。F1関係者の中には今年のレーシングポイントはトップ3チームにさえプレッシャーを与える存在になるだろうと考えていた。
ところが、新型コロナウイルスの世界的流行により、今年のF1シーズンがいつ開幕を迎えることができるのかがまったく分からない状況を迎えている。
30歳のペレスはスペインの『AS』に次のように語った。
「これは僕たちが考えている以上に深刻だよ。イタリアを例にあげれば、すべての患者に対応できるだけのキャパシティが病院にはないんだからね」
しかし、そうした状況だけにレースが中止もしくは延期になるのは仕方がないことだと理解しつつも、ペレスはレースができないことが本当に悔しいようだ。
「トップチームのクルマがまだ少しだけ上にいるとしても、間違いなく僕たちにはいいクルマがある」
「中団グループはすごく接近している。そして、表彰台を狙うには前にいる3台に何かが起きることが必要だろうね。だけど、どうなるか成り行きを見ていこう」
そう語ったペレスは次のように付け加えた。
「多分僕たちは(トップチームとの)差を縮めることができていると思っている。それがどの程度なのかは分からないけれどね。僕はそれを確かめたくてたまらないよ」