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FIAとフェラーリの“秘密の合意”を追及するグループに足並みの乱れ

2020年03月18日(水)20:02 pm

2019年に疑惑の対象となっていたフェラーリF1エンジンだが、F1統括団体であるFIA(国際自動車連盟)がこれ以上この件の調査を行わないことでフェラーリとの間で「合意」に達したと2月末に発表。

その経緯や詳細が一切明らかにされていないことにライバルチームたちは怒りを隠さず、フェラーリ及びフェラーリエンジンを搭載するアルファロメオとハースを除く7チームが今月4日(水)に共同声明を出し、その「秘密の合意」の詳細を開示することを求めていた。

だが、最近その7チームの足並みに乱れが生じたことが明らかとなった。

伝えられるところによれば、7チームが共同声明を出した後にフェラーリ会長のジョン・エルカーンとメルセデスを傘下に置くダイムラーのオラ・シャレニウス会長が電話で会談しており、その後メルセデスが態度を変え、この件から手を引くことになったようだ。

7チームが出した共同声明の草案をまとめたのがメルセデスF1チームCEOのトト・ヴォルフだったと伝えられており、反フェラーリの7チームの中で中心的な役割を担っていたと考えられるメルセデスの離脱は残る6チームにとっても寝耳に水の出来事だったようだ。

レッドブル首脳のヘルムート・マルコは、ドイツの『Auto Motor und Sport(アウト・モートア・ウント・シュポルト)』に対し次のように語り、メルセデスが7チーム連合から離脱したことを認めている。

「メルセデスは突然連絡してきて手を引いてしまったよ」

しかし、レッドブルは今後もFIAとフェラーリの問題追及を続けていくつもりのようだ。

「すべてのことが嫌な後味を残しているよ」

そう語ったクリスチャン・ホーナー(レッドブル/チーム代表)は次のように続けた。

「我々にとっては、大金にかかわることなんだ。F1選手権で(コンストラクターズランキング)2位で終わるか3位で終わるかによって2000万ドル(約21億円)もの違いになるし、我々の従業員へのボーナスだって違ってくる」

「我々はこんな形で放り出すわけにはいかないよ」

ホーナーが言及したのは、年間の順位によって収益分配金の額が定められている現在のルールのことだ。

2019年のF1コンストラクターズランキングをフェラーリに次ぐ3位で終えたレッドブルだが、もし2019年のフェラーリエンジンが違法と認められ、選手権ポイントが剥奪されるといった事態になれば自分たちが2位に繰り上がることになる。

それはランキング4位以下だったほかのチームにとっても同様のことが言えるわけだが、コンストラクターズタイトルを獲得したメルセデスだけはどちらに転んでも自分たちのふところに入ってくる分配金の額は同じだ。

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