F1チームは、前例のない新型コロナウイルスの影響により金銭的打撃を受けることを覚悟しているようだ。
大きなチームには目を見張るような予算があるが、クレア・ウィリアムズは、オックスフォードシャーに拠点を置くウィリアムズ・チームが、レースができなくなるほどの財政的影響について心配していると認めている。
小規模チームの予算の約半分がF1からの収入であり、その収入の大部分はレースプロモーターの報酬から得られているからだ。
「グランプリ側が2,500万ドル(約27億円)以上を支払えば、我々はお金を失うんだ」とハース代表のギュンター・シュタイナーは述べている。「その下で、レースをしないことによる節約により損失は相殺される」
レーシングポイントチーム代表のオットマー・サフナウアーは「収入は減るだろうね」と述べている。
多くの者は、オーストラリアGPの延期発表が遅れた理由は、本質的には金銭の負債に関する議論によるものだと考えている。
「中止は財政面を含め多くの影響がある」と主催者のオーストラリア・グランプリ・コーポレーションのポール・リトル会長は認めている。
「F1とは解決すべきことがたくさんあるんだ」
中止に先立ち、6回のF1世界チャンピオンであるルイス・ハミルトンは、健康が優先されるべき場合でも、F1では「現金が王様(cash is king)」と述べている。
F1 CEOのチェイス・キャリーは、金銭的な問題が中止発表の遅れの原因であったことは否定したものの、オーストリアのテレビ解説者であるエルンスト・ハウスライトナーは、ハミルトンの勇気ある発言を称賛した。
「あのハミルトンがあえて発言し、自分がチャンピオンであることを示した」と『ORF』の解説者ハウスライトナーは『オストライヒ(Osterreich)』に語った。
「他はレミング(タビネズミ)のように立つだけで、最終的に大失態を犯した運営側を信頼していたんだ」