開催直前になって新型コロナウイルスのさらなる脅威にさらされている今季のF1開幕戦オーストラリアGP(15日決勝)だが、もしも予定通りレースが行われ、そしてもしそこでメルセデスが新ステアリングシステムであるDASを使用したならば、レッドブルが正式に異議申し立てを行うかもしれないと報じられている。
2月にバルセロナで行われたプレシーズンテストにおいて、メルセデスのF1マシンにステアリングを前後に動かすことでフロントタイヤのトー角を調整できるシステムであるDASが導入されていることが明らかとなった。
F1統括団体であるFIA(国際自動車連盟)は、現在の技術ルールに照らせばDASは違法ではないとの見解を示しているものの、ドイツの『Auto Bild(アウト・ビルト)』はレッドブルが正式に異議申し立てを行う可能性はかなり高いと報じている。
レッドブル首脳のひとりであるヘルムート・マルコは次のように語っている。
「我々の観点では、あのシステムはルールには則っていないよ」
「だから、メルセデスがメルボルン(オーストラリアGP)であのシステムを使ったときには、我々は異議を申し立てることになるだろう」
マルコはさらに、ドイツの『Auto Motor und Sport(アウト・モートア・ウント・シュポルト)』にも次のように語っている。
「我々の弁護士たちはDASシステムが合法かどうかのチェックを行っているよ」
『Auto Bild(アウト・ビルト)』はさらに、ルノーもオーストラリアにおいて異議申し立てを行う準備をしているようだとしている。ただし、こちらはDASに関するものではないようだ。
『Auto Bild(アウト・ビルト)』によれば、ルノーはレーシングポイントがメルセデスからルールで認められている範囲を超えて何らかの技術情報の提供を受けた疑いがあると考えているようだ。
一方、メルセデスは開幕戦に向けてプレシーズンテストで使用していたリアブレーキダクト(冷却用の導管)の設計見直しを迫られていたようだ。
『Auto Motor und Sport(アウト・モートア・ウント・シュポルト)』によれば、FIAはメルセデスに対し、そのソリューションはルールブックに照らせば違法ではないものの、ルールの“精神”に反するものだと伝えたという。
『Auto Motor und Sport(アウト・モートア・ウント・シュポルト)』は、これにより、メルセデスからそれらのパーツを購入していたレーシングポイントにも何らかの影響が及ぶだろうと見ている。
一方、プレシーズンテストではメルセデスF1エンジンにトラブルが発生していたが、メルセデスは開幕戦に向けてその問題を解決できたようだと考えられている。