NEXT...F1開催スケジュール

DASで2秒も稼げるわけじゃないとメルセデス

2020年03月03日(火)18:51 pm

メルセデスF1チームを率いるトト・ヴォルフ(チームCEO)が、今年自分たちが持ち込んだ『DAS』と呼ばれる革新的ステアリングシステムによるアドバンテージはそれほど大きなものではないと語った。

すでに報じられている通り、メルセデスが持ち込んだ新システムのDASは、ドライバーがステアリングを前後に押したり引いたりすることでフロントタイヤのトー角を調整できるものだ。

これによりコーナーでのタイヤの接地効率を向上させるとともに、空力面やタイヤの温度管理面でも有利になると考えられている。

かつて3年ほどミナルディのテストドライバーを務めた経験を持つイタリア出身の元レーシングドライバーであるマッテオ・ボッビは『Sky Italia(スカイ・イタリア)』にこのDASについて次のようにコメントしている。

「理論上はいくつもの利益がありそうだ」

「もしメルセデスが本気でこのシステムを開発しようとすれば、彼らはそれを使う上で無数の選択肢を有することになるだろうね。私が受けた印象では、実際に目にしたもの以上のことができるよう設計されているように見えるよ」

だが、昨年通算6回目のF1ドライバーズタイトル獲得を達成したルイス・ハミルトン(メルセデス)はDASにそれほど大きなメリットはなく、常にそれを使用しているわけではないと次のように語った。

「使ったときもあれば、使わなかったときもあった。シーズン中にこれをどれくらい使うことになるのかは分からないな」

しかし、チームメートのバルテリ・ボッタスは、明らかにDASを使用することで利益が得られるとしている。

「それを使わない理由なんてないよ。もちろん、それについては多くを学んだし、ドライバーとしてどういう使い方をすればいいのかも学んだよ」

そう語ったフィンランド出身のボッタスは次のように付け加えた。

「クルマにこれが備えられていることをうれしく思っているし、あまり多くのことを考えることなくそれを機能させることもできるんだ。僕たちはそれにアドバンテージがあると信じているから使っているのさ」

しかし、ヴォルフはハミルトン同様、そのシステムの効果は限定的だと主張している。

「まだそれについて多くのことを明かすつもりはないんだ。だが、それによって我々が2秒も稼ぐことができると考えるのは間違いだよ」

ドイツの『Bild am Sonntag(ビルト・アム・ゾンターク)』にそう語ったヴォルフは次のように付け加えた。

「それは新車に導入された多くの新技術のうちのひとつなんだ。最終的に、一番重要なのはパッケージ全体だよ」

前後の記事
最新ニュースをもっと見る  >
TopNewsの最新ニュースが読めるよ!
facebookフォロー Twitterフォロー RSSでチェック