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メルセデスのDASにそれほどのアドバンテージはないとロシア人ドライバー

2020年02月26日(水)19:06 pm

2018年シーズンにウィリアムズのドライバーを務めていたロシア出身のセルゲイ・シロトキンは、話題に上っているメルセデスの革新的ステアリングシステム『DAS』のメリットはそれほどないと考えているようだ。

先週バルセロナでF1プレシーズンテストがスタートしたが、そこにメルセデスが持ち込んだ『DAS』が大きな話題となった。このシステムはドライバーがステアリングを前後に動かすことでフロントタイヤのトー角を調整できるもので、それによりコーナーで最大限のグリップを得ることができるとともに、タイヤの温度管理や空力面でも効果を発揮すると考えられている。

だが、昨年はルノーとマクラーレンのリザーブドライバーを務めていた24歳のシロトキンは、このシステムによるアドバンテージはあまりないと思うと母国ロシアの『Championat(カンピオナ)』に次のように語った。

「彼らがこのシステムについて書いたものを読んだし、ビデオでも見たよ。でもそれで十分だよ。実際のところ、僕はメルセデスがあれを使うのは特定のサーキットだけになると思っている」

「そして、僕の間違いでなければ、バルテリ・ボッタスがベストタイムを刻んだときにはあのシステムは使っていなかったよ。僕はこれによってメルセデスが勝つか負けるかが決まるようなものになるとは思わないな」

シロトキンはさらに、このシステムによってタイヤの冷却が有利になると考えられていることについて言及しながら次のように続けた。

「通常、オーバーヒートで苦しめられるのはフロントではなくてリアタイヤなんだ」

「確かに、ストレートでタイヤをまっすぐに調整することができれば、長いストレートがあるサーキットでは有利になるだろうね。そしてフロントサスペンションのセッティングも少しだけ攻撃的なものにできるかもしれない」

「だけど、僕はこのシステムがどのレースでも重要な役割を果たすようなものだとは思っていないよ」

そうした見方がある一方で、ライバルチームの中にはすでにメルセデスのシステムをコピーしようという動きに出ているところもあると考えられている。

元F1ドライバーであり、現在はFIA(F1統括団体の国際自動車連盟)のF1競技委員を務めることも多いミカ・サロは母国フィンランドのテレビ局『C More(セイ・モレ)』に次のように語った。

「もしそれを使うことが許されるのであれば、間違いなくどこかの時点ですべてのクルマにそれが備えられるだろうし、何台かのマシンは最初のレースで導入してくるかもしれないよ」

そう語ったサロは、自分が1999年に所属していたフェラーリもDASに似たシステムを検討していたのは確かだと思うと次のように続けている。

「これ(DAS)は誰にとってもかなりの驚きだったけれど、彼ら(フェラーリ)はすでにこれに近いものを計画しているし、多分近いうちにテストすることになるだろうね」

「フェラーリとレッドブルは素晴らしいリソースを抱えているし、もしそれによってメリットが得られるということなら、かなり短期間のうちに開発することもできるよ」

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